風邪漢方の代表選手である葛根湯について

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更新日:2014年02月20日

風邪漢方の代表選手である葛根湯について

葛根湯は、知名度抜群の漢方処方です。市販の風邪薬では、葛根湯としての製品の他に、葛根湯エキスという形で解熱鎮痛成分や鼻炎薬成分に加えて配合されています。しかし全ての風邪に有効なわけではありません。

ひきはじめ肩や首筋がこわばっている風邪

葛根湯はどのような風邪に有効なのかというと、ひきはじめで肩や首筋がこわばり、汗はなく寒気がしているもので比較的体力のある状態に使う処方です。市販の葛根湯の効能・効果をみると、「体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み」となっています。
つまり葛根湯は、肩から首筋にかけてこわばって、ゾクゾク寒気がする場合で、汗がでていない風邪の引きはじめに有効です。効能にもあるとおり体力中等度以上の人に適していて、体力が弱い碑とや高齢者、汗が出ているとき等に用いても効かないばかりか、症状が悪くなることもあります。

邪気が侵入するという漢方での「かぜ」の捉え方

漢方では、「かぜ」は外邪(がいじゃ)が原因となる病気とされています。東洋医学では外邪が風邪の症状を決定していくという考え方があります。自然界の気候変化のバランスが崩れると、身体に悪影響を与える外邪ができて、口や鼻・皮膚等から身体の中に侵入してきます。身体が持っているエネルギーである「気」といえる正気(せいき)が強いと、外邪を追い出すことができますが、外邪が正気に勝つと病気になってしまいます。
西洋医学的には、外邪がウイルスや細菌、正気は免疫といったところになるのでしょう。そして、外邪には種類があって、その種類の組み合わせによって現れてくる症状が違い、治療法も異なってきます。
「かぜ」と特に関係が深い外邪は、風邪(ふうじゃ)・寒邪(かんじゃ)・火邪(かじゃ)が中心となっています。風邪は年感を通して現れ、頭痛・鼻づまり・喉の痛み等を引き起こし、寒邪は冬や冷夏に皮膚や呼吸器から侵入し、寒気・吐き気・頭痛・関節の痛み等を起こします。火邪は季節性はなく高熱を出します。
漢方で主要な「かぜ」としては、風邪と寒邪により起こる「風寒のかぜ」、風邪と火邪により起こる「風熱のかぜ」があります。それぞれの性質が合わさったものなので風寒のかぜは、鼻水・鼻づまりの他に寒気や痛みが、風熱のかぜは、鼻水・鼻づまりの他に高熱が出てきます。

風寒のかぜに効く葛根湯の処方

葛根湯は、桂枝・生姜・甘草・芍薬・大棗・葛根・麻黄の7つの生薬から構成されていて、「風寒のかぜ」に有効な処方で、身体を温め発汗を促す治療法になります。一方、「風熱のかぜ」は高熱を発散させる必要から銀翹散(ぎんぎょうさん)等の熱を発散させ炎症を鎮める処方が用いられます。
「風熱のかぜ」に葛根湯を使うと、熱があるところをさらに温めてしまうということから、効かないどころか症状を悪化させることになりかねません。これが漢方は体質といった「証」にあった薬を使うことが大切で、ここを間違えるとかえって悪化させてしまうこともあるということにつながります。