国際的に副作用情報を共有するためのCIOMS

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
CIOMS(The Council for International Organizations of Medical Sciences:国際医学団体協議会)はシオムスと読み、スイスのジュネーブに本部を置く国際機関で、1949年にWHO(世界保健機構)とユネスコとの協賛により設立されています。CIOMSは各国の医学関連団体や研究グループ、行政機関がメンバーとなっていて、国際間にまたがるような医学関連事項の研究推進を行っています。

国際的副作用報告活動関係に重要な役割を果たすCIOMS

CIOMSは、国際的な副作用報告活動を行っていて、この活動グループの報告は、法的管轄権は持たないものの、ICH(日米欧医薬品規制調和国際会議)のガイドラインとして規制の枠組みの中に取り込まれたりしています。CIOMSは活動報告提案をもって、副作用の評価やモニタリングについて国際的にイニシアチブを取ってきていて、ICH運営委員会が設置される4年前の1986年からすでに海外副作用方向の調和と基準化を目標としたグループを設置し、1990年にCIOMS-Ⅰとして公表しています。これは、ICH関連のガイドラインの中に、治験時並びに市販後の国際的副作用情報交換用フォームとしてCIOMS Formが設定されていましたが、現在でもこの副作用情報交換としてこの様式の用紙が利用されています。

CIOMS-Ⅱは、現在のPSUR(Periodic Safety Update Report:定期的安全性最新報告)の基礎になっています。CIOMS-Ⅲでは、医薬品のコア臨床安全性情報作成のためのガイドライン、CIOMS-Ⅳでは、市販品のベネフィット・リスクバランス、CIOMS-Ⅴでは、ファーマコビジランスへの新しい取り組み、CIOMS-Ⅵでは臨床試験からの安全性情報の取り扱いについて、CIOMS-Ⅶでは、開発段階における定期的安全性祭祀報告(DSUR)を扱っています。CIOMS-Ⅷでは、ファーマコビジランスにおけるシグナル検出の実践が検討され、CIOMS-Ⅸでは、医薬品リスクマネージメントツールの適用と開発における実用的な考慮事項が検討され、最近のCIOMS-Xの活動では、バイオ医薬品の臨床安全性データに優れたメタアナリシスを行うための検討研究が行われています。


正確性にスピードも要求されるCIOMS Formによる報告

副作用の報告に用いられている CIOMS Formは、国際的に副作用症例を速やかに交換することにより、重要な安全性情報を国際的に情報共有し、患者の安全を図ることが大きな目的となっています。したがって、正確性と迅速性が求められます。この様式(フォーム)に最低限記載することは、情報源、患者データ、被疑薬名、該当副作用名の四項目です。もちろん詳細なデータや情報が記載されている方が望ましいですが、それよりも迅速性が最優先に求められるのです。CIOMS Formでは、副作用の名称などの用語についても、統一性が必要となってくるため、ICHが作成したMedDRA(メドラ)と言われる国際的な医薬用語集に従って記載されます。
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