バイタルサインとフィジカルアセスメント

公開日: 2014年10月31日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
薬剤師はどちらかというと、お薬の専門家であり、患者の臨床的なことはどちらかというと医師や看護師の守備範囲となっています。しかし、最近では、薬剤師も医療スタッフの一員として、医療に関連した周辺知識を身につけておくことも必要です。

バイタルサインを評価するフィジカルアセスメント

バイタルサインとは、体温や血圧、脈拍や呼吸数、動脈血酸素飽和濃度、心音、心拍数、グル音(腸管の蠕動音)など、人間の生命活動に伴う生理的な反応です。そして、体に表れてくるこれらの生体情報をどう評価していくかということは、これからの医療において重要なポイントとなっています。得られたバイタルサインという生体情報をどうやって受け取り、評価(アセスメント)していくかというのが「フィジカルアセスメント」ですが、その考えは意外に新しく、1990年初頭に米国から導入された概念になっています。そしてその考えは日本においても急速に浸透しはじめてきています。


医療従事者としての薬剤師とフィジカルアセスメント

最近では、病院薬剤師や開局薬剤師を対象に各地で薬剤師のためのバイタルサイン収集やフィジカルアセスメントのための講習会が開催されたりもしています。
フィジカルアセスメントは、生理的反応に関連したもので薬剤師は関係ないと思われがちですが、薬剤師にとっても患者さんの体調や具合に応じて、適切な薬を選択したり、患者さんに必要な情報を提供したりする時、バイタルサイン(身体的生体情報)を見たり聞き出したりして、それをどう評価していくかというフィジカルアセスメントは、薬学的管理の一環として大切な事項の一つです。フィジカルアセスメントは、患者さんに必要な情報提供をしていくためにも大切な役割を果たします。
薬剤師が視診や聴診、触診などにより得られたバイタルサインから患者さんの全身状態を評価することは、医師が行う診断とは違い、副作用の防止や薬物療法の効果の判定にも役立ちます。副作用の早期発見にもつながります。


フィジカルアセスメントで大切なこと

フィジカルアセスメントの意義を考えるときに、その目的については、薬剤師に限っていうと身体的なことに特化した情報を集め、それを判断・評価し、副作用の発見などで治療に役立てていくことにあります。フィジカルアセスメントに大切な要素は、人間・環境・健康・看護です。ともするとバイタルサインを診て、それから正確に事実を把握し、分析を行い職務に活かしていけば良いととらえられがちですが、本当の意味では人間自体に関心をもって生活を支援するということで人間や環境にも目に向け、患者の人間らしさを考慮した体の査定であるべきと言われています。したがってフィジカルアセスメントに必要な能力は、専門的な知識はまず一番のベースになりますが、調査するイグザミネーションスキル、分析するアセスメント力、患者に対する観察力、患者とのコミュニケーションスキル、倫理面での配慮も必要になってきます。
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