怠ると民事訴訟の対象にもなる疑義照会

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
疑義照会については、法的には薬剤師法第24条に薬剤師が医師の監督下ではなく、独立を保つ立場で行うべきものとしています。処方鑑査して疑義が生じた場合、その疑義が解消されるまでは、調剤をしては行けないと明記されています。医療機関との連携も大切になってきます。

薬剤師法だけでない民事訴訟にもなる疑義照会

疑義照会の義務に違反した場合、薬剤師法の罰則によると50万円以下の罰金に処せられます。しかしこればかりでなく民事訴訟の対象にもなり、処方した医師だけでなく調剤した薬剤師に対しても損害賠償請求を認める判決もあり、服用量や相互作用に疑問を持たず漫然と調剤したことが過失として判断され医師と共同不法行為責任があるとされた判例もあります。患者からの損害賠償請求に加え、使用者からの求償請求もあるので、薬剤師個人として、万一のため薬剤師賠償責任保険に加入しておくことがお奨めです。


実際の疑義照会のポイントと留意点

疑義照会をする前に、本当に最新の添付文書によりチェックされているかということを常に意識し、特に重篤な副作用情報に関してはこまめに情報収集をしておくことが大切になります。疑義照会をするには、関連した医療機関とも良好な関係が保たれている必要があります。また薬剤師という専門職である前に人間としての常識も必要になってきます。医師等への問い合わせ手段としては、電話・FAX・メールなどがあり施設によってことなりますが、通常は緊急性と手間を考えると電話で行われることが多くなっています。医師側も忙しいので、連絡する前に十分に情報を収集し他の疑問点もないか確認しておき、できれば照会に必要な資料やメモ等を用意しスムーズに疑義照会できるようにしてから電話します。電話は苦手という方もいるかと思いますが、薬局名や氏名、挨拶をしっかり行い、医師側の都合を伺い、最後にお礼をするのは礼儀ですし、相手が先に電話を切ったのを確認してから電話を切るべきでしょう。普段からこうして礼を尽くしておくことにより医療機関との関係が良好になり、疑義照会もしやすくなりますし、できれば普段からコミュニケーションをとっておくというのもいいかもしれません。


疑義照会の内容はしっかりと記録に残す

疑義照会をした内容については、処方箋の備考欄又は処方欄に記入することになっています。もちろん「医師に確認済み」というレベルのものでは不十分で、その内容や経緯が後でみてわかるような内容でなければなりません。記録に残す理由は、次回調剤時に再度内容を確認することができるからです。またもう1つの理由として、自己防衛という意味合いもあります。特に電話に関しては録音でもしていない限り、疑義照会をした証拠も記録に残しておかないと、言った言わないの世界になってしまう可能性があります。患者により良い医療を提供するという目的はもちろん、後で疑義照会をしっかりやったのかどうかということを問われたときに、きちんと主張するためにもしっかり記録をとることが重要です。
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