錠剤の粉砕器による粉砕、乳鉢・乳棒による粉砕

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
患者さんの年齢や処方量などにより、錠剤を粉砕したりして調剤するケースがあります。散剤や液剤等の他の剤形があれば、それらの剤形を利用して処方変更するという方法もありますが、状況に応じてそうした選択肢が難しい場合もあり、錠剤を粉砕して調剤するケースもでてきます。

錠剤を粉砕して調剤するいろいろなケース

錠剤を粉砕して調剤しなければいけないケースとしては、患者さんが経管処置や疾病などにより嚥下困難である場合や、小児や高齢者等で嚥下力が弱くなっている場合、薬用量が合わない場合などが考えられます。錠剤を粉砕する場合は、その医薬品の安定性や体内動態などが変化して、治療効果や副作用の発現に影響を及ぼすことも十分考慮して、しっかりと粉砕の可否を見極めなければなりません。また効果や安全性の面だけでなく、粉砕することによって、苦味や刺激臭が増したり、舌にしびれ感を感じるようになるケースもあります。粉砕の可否は、添付文書はもちろんのこと、成書・文献、メーカーへの問い合わせ等により判断していきます。錠剤やカプセル剤の粉砕についてはハンドブック等の成書も出ています。


錠剤を粉砕することが好ましくないケースとは

錠剤には割線の入ったものもあります。これらは手を清潔に消毒し、割線を上にして両手の指で割線の両側を持って、力を加えて折る方法や、カミソリやカッターナイフの刃をアルコール綿等で消毒してから分割する方法があります。割線がないものについては、添付文書などを参考に分割や粉砕が好ましいかどうかメーカーに確認したりすると良いでしょう。錠剤の粉砕に関しては、好ましくないケースがあります。腸溶剤は胃酸の影響を受け効力が落ちるので粉砕してはいけません。徐放性製剤も薬物の放出コントロール機構が乱れてしまいますので粉砕不可です。フィルムコーティング錠のものは、もともと光や湿気の防止、臭いや味のマスキングといった理由でコーティングされているので、粉砕して調剤するのには適していません。遮光保存のものや防湿保存の医薬品は、基本的には粉砕に適しておらず、粉砕する場合は、注意を払いながら処方箋受付後に速やかに行います。また基本的には免疫抑制剤・女性ホルモン剤・抗悪性腫瘍薬等の細胞毒性がある医薬品は、処方医へ確認しどうしても必要というケース以外は粉砕は行わないのが普通になっています。


実際の錠剤の粉砕方法のポイントについて

錠剤の粉砕については、大きく粉砕器を用いる調剤方法と、乳鉢・乳棒を用いた調剤方法の2つがあります。粉砕器での粉砕は、粉砕器に錠剤をセットし、所定の位置に合わせてからスイッチを入れ粉砕し、ふるいにかけてから分包します。乳鉢・乳棒の場合は、乳鉢に入れた薬剤を乳棒でひねりつぶすように砕き、硬い場合は透明なビニールで乳鉢を覆って乳房で叩いてつぶしたりします。最後にふるいをかけて分包していきます。
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