ガイドラインで規定されている放射性医薬品の取り扱い

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
放射性医薬品は、画像診断技術等に用いられる医薬品で、体内に投与して診断を行うものですが、放射線を放出するという性質から、医療法で放射性管理区域内で厳格に管理・使用することが定められています。その一方、医療用の医薬品であることにはかわりないことから、その調整は薬剤師の役割になっています。

放射性医薬品の種類と医療現場での使われ方

医薬品には、テクネシウムやヨウ素のように放射性同位元素(放射性核種)を持ったものがあり、これらは放射線を出すことから放射性医薬品と呼ばれ、診断や治療に用いられています。「放射線」という言葉から危険というイメージがありますが、医療用で使われる放射性医薬品は半減期が短いものが多くなっています。しかし患者はもちろんですが、常に放射性医薬品を取扱っている医療関係者は、常に放射性物質である放射線医薬品が身近にあるわけですので、その保管管理や取扱いには十分注意しなければなりません。
放射性医薬品の使用目的は大きく分けて治療用と診断用があります。
治療用放射性医薬品はα線とβ線があり、バゼドウ病や甲状腺がんの治療に用いられるヨウ素の放射性同位元素がなどがあります。ヨウ素は甲状腺に集積する性質があり、周りの甲状腺細胞にβ線を与えてバセドウ病や甲状腺がんを治療していきます。
また、がん治療に用いられるモノクローナル抗体に放射性同位元素を標識して、α線やβ線によるがん治療が行われたりもします。
診断用医薬品としては、画像診断として用い、放射線を感知することにより診断していきますが、透過性に優れ感度も良いγ線を出すものが用いられます。


放射性医薬品を取り扱うためのガイドライン

放射性医薬品はテクネシウムやヨウ素の放射性同位元素(RI)を含んでいて診断・治療の目的で患者さんに対して使われるものですが、処方箋医薬品として日本薬局方あるいは放射性医薬品基準に収載されています。
放射性医薬品については、患者さんの診療にあたり放射線を使用する医師、放射性医薬品の調剤・管理を担当する薬剤師、放射線を管理し患者さんに照射する診療放射線技師に対して、『放射性医薬品取り扱いのガイドライン』が作られています。放射性医薬品を扱う医療機関では、薬剤師の中から放射性医薬品管理者を指名し、指名された管理者は、放射性医薬品の安全使用のための業務手順書にしたがって、安全確保業務を総括し、医薬品安全管理責任者に保管・使用状況などを報告します。


放射線医薬品の調製を行うときの注意

放射性医薬品管理者になった薬剤師は、放射線医薬品を調整する放射線管理区域内を適切な清浄度が保たれるようにし、必要な機器類は日常的に点検し、精度管理に努めることになります。調整作業は、医師の指示・処方箋により微生物等のよる汚染や放射線被曝を防ぐために、安全キャビネット内で無菌操作によって行われます。調製に使用するシリンジ、針などは全て滅菌済みのものを使用し、バイアルゴム栓は消毒用アルコール綿などで消毒して使用されます。アルコールは乾燥して初めて消毒効果が出ることからアルコールが乾燥してから刺通するようにします。実際の調製にあたっては、特定の教育・研修を定期的に受けている専門知識がある者を調製担当者として調製することになります。
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