薬剤師が行う透析患者への服薬指導

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
無菌製剤というと、透析の治療にも使われます。透析には大きく分けて腹膜透析と血液透析がありますが、いずれも透析溶剤を用います。この透析溶剤は液状か用時溶解する固形製剤になっています。また腹膜透析の場合は、患者自身が在宅で行うため厳密な自己管理ができるように服薬指導が重要になってきます。

血液透析と在宅で行われる腹膜透析の違い

日本には約30万人もの透析患者がいて、年間約1万人のペースで増加しています。血液透析は、カテーテルによって患者の血液を外に出し、ダイアライザーと呼ばれる透析器の中で透析を行い、体の中に再び血液を返すという方法で医療機関の中で1回4時間程度1週間に2~3回行われます。一方腹膜透析は、患者の腹腔に腹腔内カテーテルを手術により留置し、そのカテーテルから患者の腹腔内に透析液を注入して、腹膜の半透膜としての性質を利用して体内で透析を行い、毎日数回の透析液交換を行います。在宅でもできることから、社会復帰しやすい、どこでもできる、血液のアクセスが不要で腹腔内カテーテルにより穿刺による痛みもないなどの利点があります。


腹膜透析における感染症のリスク

腹膜透析で注意しなければいけないのは、感染による合併症です。具体的には腹膜炎やカテーテル出口部での感染、皮下トンネル内での感染になります。特に透析時にカテーテルや出口部分から細菌が侵入しやすくなっています。腹腔内の透析液は細菌にとっても至適温度でさらにグルコースなどの栄養成分を含んでいるので、細菌が繁殖しやすくなっていて、清潔な手技が必要になってきます。


腹膜透析患者に対する服薬指導の留意点

腹膜透析患者は、健常人とは違い腎臓からの排泄能力がもともと落ちている患者さんなので、いろいろな面で注意する点が多いのですが、腹膜透析という手技を自宅で行うので、その間は医療関係者の目が届かなくなってしまいます。したがっていろいろな留意点をしっかりと説明し服薬指導をすることが大切です。冷えた腹膜透析液により下痢や腹痛が現れることがあるのである程度温めてから注入したり、薬剤の管理や保管状況を把握し在宅での過剰在庫を確認したり、排泄液が濁っている場合は速やかに医療機関を受診するといった注意事項をしっかりと説明したりすることが大切です。糖尿病がある人には、透析液に含まれるブドウ糖により高血糖になることがあるので、血糖値の変動にも注意するように説明します。腹膜透析液は容量が大きくかさばり重いので、患者さんが自宅に持ち帰ることが難しく腹膜透析液配送システムを使い患者さんが製薬企業に配送依頼書等を送り依頼する宅配サービスシステムもあります。
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