バイオハザード対策の安全キャビネット

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
無菌調製というと、クリーンルームの中でクリーンベンチによって行われている施設が多くなっていますが、抗がん剤の混合製剤ではクリーンベンチの代わりにクラスⅡ又はクラスⅢの安全キャビネットの使用が望ましいと言われています。安全キャビネットの種類や仕組みなどについて説明していきます。

安全キャビネットの種類とクリーンベンチとの違い

安全キャビネットは構造により、クラスⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種類に分類されます。クラスⅠは、ドラフトに廃棄滅菌装置がついたものですが吸気が未滅菌のため、安全キャビネット内は無菌性はありませんので無菌調製には不適切です。無菌調製に用いられるのはクラスⅡ及びクラスⅢのものが使われます。クラスⅡは、ドラフトに排気滅菌に加え滅菌吸気エアカーテンが装備されていて、クラスⅢになるとエアカーテンではなく隔壁になります。クラスⅡのものは、さらに排気が室内排気型のⅡa型と屋外排気型のⅡb型に分けることができます。クリーンベンチも安全キャビネットもHEPA(high efficiency particulate air)フィルターというフィルターによって濾過された清浄な空気が吹き出されていて、高度に清浄なクリーンスペースになっていて高い無菌性を確保することできます。クラスⅡ・Ⅲの安全キャビネットやバイオクリーンベンチでは、エアカーテンがついていますが、安全キャビネットとクリーンベンチの大きな違いは、クリーンベンチは中が陽圧、安全キャビネットは中が陰圧になっている点です。したがって、抗がん剤のように細胞毒性がある物の調製の場合、中が陰圧になっている安全キャビネットの方が、より調製者の被爆の危険性を減らすことができます。このため空気が調製者にあたるクリーンベンチで抗がん剤を調製しなければならないときは、バイオハザード対策として一時送風を停止して行うことがあります。


安全キャビネットのしくみと空気の流れ

安全キャビネットの中は、空気が対流し清浄なエアー空間を作り出しています。ファンで取り込まれた外気は、ますHEPAフィルターを通り濾過され清浄になります。そして安全キャビネット内に流れ込みます。さらにファンによって再びHEPAフィルターを通して外部排気されます。この空気の循環とHEPAフィルターの清浄作用により常にキャビネット内が清浄に保たれます。またキャビネット内が陰圧になっているため、調製者が手を入れている前面での空気の流れは、調製者の方からキャビネット内に流れ込む形になっています。このため調製者の抗がん剤による汚染を最小限に食い止めることができるようになっています。


作業後の安全キャビネットの取扱い

作業後は、安全キャビネットを停止して、水で湿らせた清潔なガーゼかペーパータオルでキャビネット内に飛散した注射液を手前から奥、上から下へ拭き取ります。その後安全キャビネットをしばらく作動させておきます。最初に消毒用アルコールを使用してしまうと、水溶性の抗がん剤が除去できない上、アルコールとともに揮発するリスクがあります。
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