電子薬歴による薬歴管理とその特徴

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2002年12月、日本薬剤師会から『薬剤服薬歴の電子媒体による保存に関するガイドライン』が出され、それまでは紙による薬歴簿しか認められていなかったものが、電子媒体による薬歴管理も認められるようになりました。

レセプトコンピュータと電子薬歴

電子薬歴のほとんどはレセプトコンピュータ(レセコン)と連動で使用されます。レセコンは、多くの保険薬局に導入されていて、2009年からはオンライン請求が始まったことにより、必要不可欠なものになっています。レセコンは調剤報酬明細書を作るためのコンピュータですが、処方鑑査機能も備えていて、用法用量・重複投与・相互作用等がチェックできるようになっています。通常はプリンタと連動していて、医薬品情報提供文書やお薬手帳用のシール、領収書等も印刷されてきます。薬袋印字システムや分包機等と連動しているものもあります。こうした中で、電子薬歴と連動して使用されることもあります。レセコンに入力したデータ内容が、そのまま電子薬歴に反映される形になっていて、中には電子薬歴からレセコンへもアクセスできるような双方向通信が可能なものも出てきています。


電子薬歴にはどのようなメリットがあるのか

電子薬歴の一番のメリットは、レセコンのデータを利用できたりするので、薬歴記録時間が大幅に短縮でき、その分調剤業務に専念できるというところです。手書きで紙に記載するよりも負担が少なく、文字も読みやすい活字になっています。紙の薬歴簿の場合、薬歴棚が必要になりますが、電子薬歴にすることにより薬歴棚が不要になりますので、薬局内のスペース効率もあがりますし、薬歴簿をいちいち探して取り出したり、元にあった位置に戻したりといった面倒な作業が不要になります。薬歴を戻す位置を間違えて薬歴の紛失といった事態も防ぐことができます。検索機能等もあり、追加した医薬品、用法用量の変更等のデータがすぐにチェックできます。たとえば、同じ医薬品であっても規格や用法が前回と変わっている場合は、画面に色等で警告が出るような形になります。服薬指導においても、新人でも一定の指導レベルが保てるというメリットもあります。また電子媒体ですので、追加・変更も簡単に行うことができます。


電子薬歴を使用することのデメリットと留意点

メリットがあれば、当然デメリットもあります。システム導入にコストがかかり、パソコン操作・キーボード操作に慣れる必要があるという点です。留意点としては、コンピュータを過信してはいけないということです。停電時の問題もありますが、これは無停電電源装置やバックアップシステム等の工夫で防ぐことができます。処方入力ミス、プログラミングのミス、バグ等による誤作動といったケースが考えられますが、これに対してはコンピュータを過信することなく、しっかりと人間の目を通してチェックすることも大切です。最近では休日夜間に患者対応のためのシステムとして、電子薬歴をインターネットと結んでいるケースもありますが、データは患者の個人情報となるので、その個人情報が外部に流出しないための細心の注意が必要となります。
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