ハイリスク薬の定義とその取扱い

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬品の中には治療域が狭かったり、有効域と副作用発現域が近く投与量に特に注意が必要だったりするものなど、使用に細心の注意を払わないとリスクが高くなるハイリスク薬があります。ハイリスク薬は、平成19年3月の厚生労働科学研究「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアルにおいて定義されています。

ハイリスク薬の定義とその代表的な医薬品

ハイリスク薬としての定義は、厚生労働科学研究「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアルに載せられ、日本薬剤師会が作成している『薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン』においても、この定義が採用されています。
投与量等に注意が必要な医薬品、休薬期間の設けられている医薬品や服用期間の管理が必要な医薬品、併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品、特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品
、重篤な副作用回避のために定期的な検査が必要な医薬品、心停止等に注意が必要な医薬品、呼吸抑制に注意が必要な注射剤、投与量が単位(Unit)で設定されている注射剤、漏出により皮膚障害を起こす注射剤等がハイリスク薬としてあげられ、抗悪性腫瘍、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤等があります。日本病院薬剤師会では、『ハイリスク薬に関する業務ガイドライン』が出されていて、ハイリスク薬を扱う際の注意点が記載されています。


ハイリスク薬の調剤報酬における加算算定

ハイリスク薬については、調剤報酬において加算算定できることになっています。厚生労働大臣が定めたものを調剤して、患者に必要な服薬指導を行った場合に加算することができるようになっています。指導を行った場合は、薬歴にその内容を記載しなければなりません。ただし、厚生労働大臣が定めた医薬品・使用目的が一致していないと算定ができません。たとえば、ステロイドの内服薬を免疫抑制剤として使用する場合はハイリスク薬として加算対象となりますが、蕁麻疹や鼻炎の治療として用いられている場合は、ハイリスク薬としての算定はできません。


ハイリスク薬のアドヒアランス確保に対する工夫

ハイリスク薬は、患者のアドヒアランス・適正使用の確保が重要です。高齢者の場合は、剤形や大きさ等服薬に問題がないかどうか確認することが大切です。薬が多種類に及ぶ場合は、一包化等の工夫の検討も有用になります。高齢者の場合は、視力や聴力に障害がある人や、認知症の人がいることも考慮し、家族等への説明も含めた説明を、ポイントを絞ってわかりやすくする工夫も必要です。妊婦に対しては、催奇形性があるため禁忌となっているハイリスク薬は注意が必要です。小児に対しては、好みの剤形や味等を知ることでアドヒアランスの向上を図るなどの工夫ができます。また服用しにくい散剤を少量の水に混ぜて飲ませる等の工夫を提案することも有用です。
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