大人と違う子供の味覚と服薬の工夫

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
患者への服薬指導を行う際には、コミュニケーションや観察力が大切ですし、調剤に関しては相手に合わせた気遣いも大切になってきます。相手が成長過程の子供であれば、成人とは違った感覚があるので、そのあたりも考慮しなければいけません。

大人と違う敏感な子供の味覚と調剤

子供への調剤というと、小児用量の注意に目がいきがちです。もちろんこれは一番大切といっても過言ではありませんが、子供がしっかりと薬を使用してくれるような工夫が大切です。人間は新生児の時から味覚は成人より敏感で、甘味や辛味によく反応します。赤ちゃんは舌にある味蕾の数が成人よりたくさんあることもわかっています。乳幼児は早期のうちから甘味への反応が発達し、塩味に関しても1歳~3歳にその感覚が発達します。様々な刺激を受けながら変化し、味覚が発達していきますが、子供のころはその味覚が大人と違うと言われています。子供によく野菜嫌いが多いと言いますが、これは野菜には渋みや苦みが強いものが多く、また食物繊維が食べにくいという点もあるためと言われています。人間も自然界の動物で、味について危険かどうかを判断するという本能的な能力があり、苦いものは毒物、酸っぱいものは腐っているというような判断を感覚的にします。したがって、特に大人の倍は敏感とされる子供は、酸っぱいものや苦いものを避けたがり、甘いものを好んで食べる傾向があります。この傾向は薬にも言え、したがって小児には甘味があるシロップ剤が好んで用いられます。


子供の服用に関しての注意は味だけでない

多くの薬は苦みがあったりしますが、味覚が敏感な小児は苦味等を大人よりも敏感に感じてしまいます。また薬を選択するときも味はもちろん、粉末よりもシロップ剤といったように飲みやすい剤形を選択してあげることも大切です。大人の場合は自分でオブラートに包んで服用するといったことができますが、小児の場合は、服用しやすくする工夫、飲ませ方の工夫、服用するタイミングといったことまで考える必要があります。小児で学校へ行くようになると朝夕は親の目の届くところにいますが、学校ではきちんと薬を飲んでいるかどうかという問題も出てきます。その時に嫌いな味だったりすると、自宅では親の目の手前我慢して飲んでいても、学校では飲まないということも起こりうることにも気をつけなければなりません。小児が好む味のものにするとか、場合によっては1日2回服用の薬にするといった配慮も必要です。


子供へ薬を上手な飲ませるための調剤

子供が薬を飲みやすくするための工夫として、よく行われるのが苦味が強い薬の場合は、ココア・砂糖・コンデンスミルク等を加えて飲みやすくしたりアイスクリームやゼリーに混ぜて食べさせたり、ジュースに混ぜて飲ませる方法もあります。こうした飲ませ方の工夫において、留意しておく点がいくつかあります。乳児については、母乳やミルクには絶対混ぜないことです。母乳やミルクが嫌いになってしまう可能性があり、そうなるとミルクを飲まなくなってしまいます。そして特に1歳未満の乳児の場合は、乳児ボツリヌス症のリスクがあるのでハチミツは使わないようにします。そして混ぜるのはアイスクリームやゼリー等のお菓子類が好ましく、主食は避けます。ミルクと同じ理由で、主食が嫌いになり食べなくなってしまうと困るからです。
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