妊婦患者への服薬指導とコミュニケーション

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
妊娠は、精子が卵管で卵子と受精し、子宮内に輸送されて着床することによって起こり、やがて受精卵は子宮の中で分化し、受精後17~57日に脳や心臓など重要な胎児の器官が形成されていきます。この時期母体の服薬は、胎盤を通して胎児にもつながり胎児に思わぬ副作用がでる可能性があります。

母体・胎児ともにデリケートな妊娠期

妊娠又は妊娠している可能性がある場合は、母体及び胎児とも薬物の影響を受けやすい時期なので特に注意しなければなりません。受精から18日以前の時は、薬物の影響で受精卵が着床できず流産する可能性があります。19日~57日は胎芽器と言われる胎児の器官形成期です。この時期に服用した薬により胎児に奇形が生まれやすくなったりします。妊娠9週目からは胎児期で、12週までは奇形を起こす可能性があります。したがって、極力可能な限り薬物による治療は控える時期になります。妊娠16週になると胎盤が完成し、母体が服用した薬は胎盤を通して胎児に移行してきます。生まれてくるまでは、母体が服用した薬物が胎児の機能や発達に影響を及ぼす可能性を考えなければなりません。胎児だけでなく母体についても通常のときと状態が違っています。妊娠しているときは、血中のプロゲステロン等のホルモンが増え、消化管運動が低下し胃酸分泌の低下などがおこります。また薬の代謝が促進したり抑制したりする場合もあります。なるべく薬物による治療は控えるのが賢明です。


妊婦は基本的には極力薬での治療は避ける

医薬品の添付文書をみると、妊婦には投与禁忌とされている医薬品が多くあります。動物実験などで奇形が見られたもの等があります。特に妊娠中の患者さんは、胎児を授かっているということでナーバスになっているケースも多くあります。妊婦さんの感情を理解してあげ、その不安を聞いてあげることが何よりも大切です。そして安全性に対しての説明をするなど不安を取り除くような服薬コミュニケーションも大切です。妊婦の中には、薬物療法に抵抗感を示す患者さんも少なくなく、胎児への安全性や母体への効果を含めて薬剤が選択されていることを丁寧に納得いくように説明してあげることが大事です。服薬を自分勝手に止め、そのことにより症状が悪化し、それがかえって胎児に悪影響を及ぼすということもあります。また奇形は薬物以外の原因で起こることもありますが、特に妊娠4週目~7週目は、胎児の脳や心臓等の重要な器官が形成されてくる時期なので、薬剤投与は慎重にも慎重を重ねる配慮が必要になってきます。医薬品の添付文書やインタビューフォーム等を確認し、妊婦へのリスクをしっかり確認することが大切です。


男だからあまり気にせず薬を服用するのは間違い

子供の奇形となると、母親の服用した薬が原因というイメージがありますが、先天奇形は新生児の約3~5%にあり、そのうちの約20%が遺伝子病と言われています。また自分は男だから関係ないというのは間違いで、男性においてもC型慢性肝炎などにインターフェロンと併用して用いられる抗ウイルス薬等には、精巣・精子の形態変化を及ぼすものがあります。
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