高血圧患者に対するコミュニケーション

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
高血圧者数は,約4300万人と推定されます。さらに2010年国民健康・栄養調査では、30歳以上の日本人男性60%、女性45%が高血圧(収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上、または降圧薬服用中)と判定されています。

降圧薬と一生つきあっていかなければならない恐怖

高血圧の患者さんからすると、降圧剤は飲み始めると一生やめられなくなる、どんどん種類や量が増えていってしまうという恐怖心から、薬を服用しないという人も中にはいます。特定保健用食品ならまだしも、健康雑誌に載っているエビデンスがしっかりしていないものを代わりに飲もうとしたりするケースもあります。高血圧の患者さんには高齢者や多剤服用者も多くいるので、薬の副作用や相互作用にも十分気を配る必要があります。それと同時に、降圧薬を飲みたくないという方には、その意義と飲むことのメリットをしっかりと伝えてあげなければなりません。降圧薬を飲まず、血圧がさらに上昇すると、高血圧は、高コレステロール、肥満、糖尿病とともに死の四重奏と呼ばれていることを理解してもらい、放っておくと脳卒中や心臓病などの血管系の疾患で死亡するリスクが高くなることを認識してもらいます。その一方、早く治療すれば薬を減薬、さらには休薬できる可能性も高いことも説明し、降圧薬に対する恐怖心をなくしてあげることがコンプライアンス向上につながります。


薬だけではダメ、生活習慣こそ大切

高血圧の患者には、相変わらず生活習慣に無頓着で薬さえ飲んでおけばいいだろうという人もいます。ところが高血圧の人は塩分の摂取を控えるなど生活習慣をきちんと守ることが大切で、生活習慣を改善することによって、改善していく可能性があがり、減薬や休薬にもつながっていきます。塩分でいうと、2011年の国民健康・栄養調査結果では、国民1人1日あたりの食塩摂取量は平均10.4g(男性11.4g,女性9.4g)となっていて、減少傾向にはあるものの依然として高い状況です。できれば、減塩で1日6g未満に抑えたいところです。その他生活習慣の改善としては、野菜・果物の積極的摂取、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える、魚油の積極的摂取、肥満改善、運動、節酒(エタノールで男性で20~30mL/日以下、女性で10~20mL/日以下)、禁煙等が生活習慣として推奨されている内容です。


薬物療法以外にも幅広い知識でコミュニケーション

高血圧の人は、食事療法、運動療法、薬物治療の他にも、どうにか血圧を下げたい一心で、特定保健用食品や健康食品やハーブ療法、気功やアロマセラピー、ヨガ、音楽療法などいろいろと試したりしている場合があります。そして医療の専門家として、薬剤師との会話の中に、これらに関連したようなことが出てきたり、薬以外の健康一般的なこととして質問されたりする場合もあります。できればいろいろなことに視野を広げ、一つ一つ勉強していくと患者との会話の中での引き出しが増えていきます。そしてより進んだアドバイスができるだけでなく、患者からの信頼にもつながっていきます。
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