緊急安全性情報(イエローレター)が出される時

公開日: 2015年03月31日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬品や医療機器は、生命関連物質としてハードである製品製剤とソフトとしての情報がセットとなって、はじめて一つの商品として成り立ちます。特に市販後の副作用や不具合等については、報告を収集・評価して、安全性確保のための必要な情報は、すぐに医療現場にフィードバックしなければなりません。

緊急で重大な情報を伝えるイエローレター

もし医薬品や医療機器を使用して、保健衛生上の危害が発生したり、拡大したりすることが予想される場合は、製造販売元はこれを防止するための回収や販売停止などの措置や情報提供をしなければなりません。特に緊急性を要する場合は、安全性に関する緊急かつ重要な情報を伝達するため「緊急安全性情報」による情報伝達が必要になってきます。この情報伝達は、他の使用上の注意改定のお知らせなどの一般情報に埋もれず、目立つようにするために黄色い書式において出されることから、「緊急安全性情報」のことを別名「イエローレター」と呼ばれています。
イエローレターは、国民・医療関係者にとって緊急・重大な注意喚起や使用制限に係わる連絡事項であり、厚生労働省の命令・指示の場合もありますが、メーカーが自主的に決定して行う場合もあります。
イエローレターが出されるケースとしては、死亡事故や障害事故、あるいはこれらにつながるおそれがある症例が発生したとき、今までに知られていなかった重い副作用が出た場合、海外において緊急かつ重大な安全性に関する行政措置が取られた時などが考えられます。
実際に、添付文書でいうと、警告欄や禁忌事項が変更になったとき、安全性上の理由で効能効果や用法用量、使用方法等が変更になったとき、販売中止・停止・承認取り消し等の行政措置が安全性上の理由で行われたときなどにイエローレターが出されることになります。

イエローレターの情報提供と最近の事例

イエローレターの内容はメーカーのホームページなどに、速やかに情報提供され、指示や情報提供があった後の3日以内、遅くとも1週間以内に「緊急安全性情報」及び「改訂添付文書情報」等として公表されることになっています。またメーカーは、緊急安全性情報を出すように通知された日、または自主配布を決めた日から1ヵ月以内にしっかり情報が医療機関情報担当者等に到達していることを確認する義務があります。情報の流しっぱなしではダメということです。
平成27年2月現在、一番最近出されたイエローレターは、平成19年3月20日に出されたもので、有名な事例になっている抗インフルエンザウイルス薬のタミフルの例があります。「タミフル服用後の異常行動について」でタミフルを服用した10代の患者が、自宅マンションから転落死するという事件が発生し、因果関係は不明であったものの、10歳以上の未成年の患者には、合併症や既往歴等からハイリスク患者と判定される場合以外は、使用を差し控えるべく添付文書の『警告』欄が改訂になりました。
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