特許問題で注目を集めたオーソライズドジェネリック

公開日: 2015年03月26日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2013年にフェキソフェナジン塩酸塩錠30mg「SANIK」が発売されてから、オーソライズドジェネリック医薬品の承認・発売が増えてきています。オーソライズドジェネリック医薬品は、特許の使用権をそのまま先発メーカーからもらっているジェネリック医薬品のことで、他のジェネリック医薬品よりも優先権ということで有利になっています。

2013年から増えて来たオーソライズドジェネリック

オーソライズドジェネリック医薬品は、「オーソライズド(権限を与えられた)」されたジェネリック医薬品ということで、先発メーカーから特許の使用権を与えられたジェネリック医薬品ということになります。ジェネリック医薬品は、通常は特許が切れた先発医薬品に対して同一有効成分を同一量含んだ後発医薬品のことで、医薬品の場合、原則先発品に20年、最大で25年の特許権存続期間が与えられます。特許期間中は、先発メーカー以外のメーカーが、その同一有効成分を使った医薬品を販売することができません。
ジェネリック医薬品の問題点として、添加物が違っていたり薬のコーティングが違っていたりすることで、薬の吸収や剤型という意味で改善されている面があり、添加物が違うことからアレルギーが起こる可能性もでてきます。品質面や安定供給も含め、こうしたことでジェネリック医薬品に対して懐疑的な意見を持っている医師や薬剤師もいます。
また有効成分としての「物質特許」は特許の満期がきても、「用途特許」ということで一部の効能についてはまだ特許期間というケースもあり、その場合のジェネリック医薬品は、先発品から一部の効能が削られてしまいます。これに対しオーソライズドジェネリックは、特許使用権が与えられているので、他のジェネリックと違い添加物・製造方法も完全に先発品と同一にすることができます。加えて先発品の特許が切れる前から半年独占販売できるので、他のジェネリック医薬品の追随前の半年で、そのカテゴリーでの市場を固められるアドバンテージがあります。

日本初のオーソライズドジェネリックで起こった訴訟

日本初のオーソライズドジェネリック医薬品は、アレグラに対するフェキソフェナジン塩酸塩錠30mg「SANIK」で、他社のジェネリック医薬品に先駆けて承認され、2013年6月に販売されています。この製品をめぐっては既に和解となっていますが訴訟が起きています。アレグラのジェネリック医薬品の承認を取得したエルメッドエーザイ、小林化工、大正薬品工業の3社に対して、先発メーカーのサノフィは、用途特許が残っていることを主張した争いになりました。「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹」に対する特許が2014年まであるのに、発売を意図してその承認を取ったことが問題となりました。
結局、発売をされてしまいましたが2014年3月に用途特許の期限がきたこともあり和解が成立しています。
先発メーカーが使用権を譲るケースとしては、先発品メーカーの子会社・関連会社に優先して製造販売させたい場合などが考えられ、自分たちが開拓してきた市場を他のジェネリックメーカーから特許切れの前に守り、子会社や関連会社に市場でのアドバンテージを取らせておこうというものです。
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