緊急災害時における薬剤師の活動

公開日: 2015年03月30日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
日本は地震国で、阪神・淡路大震災や東日本大震災などは記憶に新しいところです。災害といえば、地震・津波だけでなく、噴火や豪雨・豪雪なども考えられます。また原発からの放射能漏れといった事態も想定されます。こうした緊急時での医療・環境衛生分野での薬剤師の活動は社会的責務とも言えます。

過去の教訓からできた災害対策マニュアル

阪神・淡路大震災の教訓を活かすべく日本薬剤師会では「薬局・薬剤師の災害対策マニュアル」等がまとめられました。そしてその後東日本大震災が起こり、2015年2月現在、この教訓も盛り込んだ形での改訂作成作業が進められています。薬剤師が関与する緊急災害時における活動としては、負傷者の救援をすべく災害医療救護のための医療チームへの参加、被災地での医薬品等の安定供給への尽力、避難所等における健康・衛生面等での支援、被災地域での公衆衛生活動や環境調査等があげられます。大きな災害になると、被災地外との交通手段が遮断されてしまいますので、3日間は被災地外からの供給はないということを前提に考えなければならず、医薬品の確保や医療救護所への供給などが薬剤師の重要な役割になってきます。さらに3日をすぎたあたりから被災地外からの物資の供給がでてくると、今度はしっかりとした医薬品の供給体制を確保していく必要があります。地域にある各薬剤師会等では、自治体や卸と調整を取ながら、医薬品集積センターをつくり救護所や救護センターと連絡をして必要な医薬品等の供給に努めていくことになります。そこでの医薬品の仕分けや供給要請に基づいた不足医薬品の要請などの管理が行われることになります。

活躍が期待される被災地での薬剤師

阪神・淡路大震災などの教訓を受け、被災者を都道府県の壁を越えて、医療機関の稼働状況を把握し、迅速で適切な医療が行えるように「広域災害・救急医療情報システム」が整備されると同時に、被災者での救急治療のためにDMAT(ディーマット:災害派遣医療チーム)が編成されるようになり、東日本大震災の時などにも活躍しました。DMATは、広域医療搬送、病院の支援としてトリアージや診療の支援、現場で自衛隊やレスキュー隊と連携して緊急治療等を行いますが、その構成メンバーとしては、医師・看護師・業務調整員から成り立っています。薬剤師は、救命救急士や理学療法士等とともに、業務調整員として、医薬品や医療機器、食料などの調達や、情報収集や発信・記録活動、医薬品の管理供給や医薬品情報の整理等を行う役割を担っています。薬剤師には、医療チームの一員として救護所や避難所での服薬指導・使用薬剤に対する助言といって業務の他に、医薬品の安定供給や、トイレの消毒や飲料水の水質検査といった地域の環境衛生の調査官としての役割など多岐な活動が期待されています。
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