かけもち受診患者に対する薬歴管理

公開日: 2015年04月27日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬分業の積極的な推進政策がとられるようになった理由に、高齢者の「かけもち受診」があります。かけもち受診は、短期間に同じ診療科目をかけもちで受診することですが、薬による副作用の原因にもなっていて問題視されています。

かけもち受診患者の副作用の危険性

高齢者が複数の医療機関をかけもちで受診し、それぞれの医療機関から処方された薬を重複投与することで、重複投与や医薬品の相互作用による副作用が問題となってきました。病院やクリニックに行って診断してもらい薬を処方してもらったが、診断の内容に疑問をもったり、薬を5日ほど飲んでみたがあまり効果を実感できなかったということで、別の病院やクリニックを受診し、薬は両方でもらったものを一緒に飲んでしまったりして、重複投与になったり相互作用を起こしたりしてしまいます。別の病院やクリニックを受診すること自体は、同じ診療科であっても問題ありませんし、セカンドオピニオンの意見を求めるという観点からすると、好ましいケースもあります。問題は、別の医療機関で処方された薬が重複していて、これを両方服用してしまうことで、そういうことが起こらないようにお薬手帳というものがあります。お薬手帳は、医療機関から処方箋をもらい薬局で調剤してもらったときに、どんな薬が処方されたのかが記録され、そのお薬手帳さえあれば、どこの薬局に行っても、他の医療機関で処方されている薬をチェックすることができます。薬剤師がお薬手帳と処方箋をチェックすることで、重複投与や医薬品の相互作用を防ぐことができるのです。

かかりつけ薬局をもち薬歴を一元管理

薬歴は、薬剤服用歴管理・指導の記録で、薬剤師が行った調剤や服薬指導内容を記載するもので、処方箋や患者・医者から得た情報を記載し、患者が薬物を適正に使用できるようにするための記録で、これをつづったものが薬歴簿になります。かかりつけ薬局をもつと良いと言われているのは、この薬歴簿がしっかりと保管・管理されるからです。薬歴には処方箋からだけだと判断できない実際処方されたジェネリック医薬品名であったり、前回服薬指導を行った際のポイントが記載されたりしていますので、より質の高いチェックをすることができます。かけもち受診者対策として、お薬手帳は非常に有用なのですが、前回別の薬局を利用している場合は、その別の薬局での細かいやりとりなどの情報はわかりません。いまだにお薬手帳の意義を勘違いして、お薬手帳を一冊にまとめず、医療機関や薬局ごとに別々のお薬手帳を持っていたりするケースもありますが、こうなると薬局では患者の服薬歴を正確に判断することができなくなってしまいお薬手帳の意義が薄れてしまいます。かかりつけ薬局をもつメリットは、処方されている薬が一つの薬局で薬歴簿として一元管理されているので、かけもち受診による薬の副作用のリスクマネジメントにも有用です。
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