紙媒体から電子媒体の時代になった薬歴管理

公開日: 2015年05月07日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
薬歴は、「薬剤服用歴管理・指導の記録」になり、薬剤師の調剤内容や服薬指導内容についての記録、さらには患者からの情報や処方医から得た情報を記載することにより今後の調剤時の参考にしていくものですが、以前は紙媒体しか認められていなかったものが、電子媒体でも認められるようになりました。

電子媒体による薬歴管理が認められるようになったのは2002年から

調剤時の情報を記録しておく薬歴の形式は、大きく分けると紙媒体と電子媒体に分けることができます。紙の薬歴簿がファイルやカード形式によって整理されているのに対し、電子媒体の薬歴は、「電子薬歴」と呼ばれています。実は、昔は紙媒体の形式の薬歴簿しか認められていませんでしたが、世の中がネット社会になるに従い、電子媒体での管理による利便性が言われるようになり、2002年12月に、「薬剤服用歴の電子媒体による保存に関するガイドライン」が日本薬剤師会から公表され、電子薬歴による管理が正式に認められるようになりました。日本で最初にWebサイトが立ち上がったのが1992年、2000年前後を境に、一般家庭でもPCが普及していき、一般の人がPCやネットを使うようになってきたという時代背景があります。現在では、厚生労働省が2010年に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.1版」を発表し、これに基づいて電子薬歴による管理が行われています。薬局によって紙媒体での薬歴簿管理をしているところと、電子薬歴を利用しているところがありますが、電子薬歴のメリットとしては、薬歴簿ファイルの出し入れ作業がなくパソコン上でできるので効率的です。さらに入力したデータの再利用ができるほかに、電子媒体ですので検索機能等が優れています。デメリットとしては、複数のデータを相対的に比較したいとき全体的に眺めるということが難しく、またセキュリティ面からの情報管理をしっかり行わないと、思わぬところで情報漏えいしてしまうリスクがあるというところです。また停電などに対しても注意が必要です。

電子薬歴管理に重要な3つの要素

電子薬歴で薬歴管理を行う際に、重要になってくる3つの要素があります。この3つの要素を満たすために、電子薬歴は市販のWordやExcel、Accsess、PageMaker といった一般向けソフトで薬歴を作成したり保存管理したりすることは認められません。定められた基準に則って製造されている電子薬歴製造メーカーがつくったソフトのみが、正式な薬歴管理ソフトとして認められています。その3つの要素は、「保存性」、「見読性」、「真正性」になります。まずは、「保存性」ですが、3年間しっかりと保存でき、バックアップ体制もしっかりしている必要があります。無停電電源装置やバックアップシステムの導入による対策も大切です。「見読性」は、必要に応じて、迅速かつ簡易に閲覧できたり印刷できたりする必要があります。そして「真正性」については、記録時間や記録者を明確化するとともに、上書き防止やパスワード管理が大切になってきます。ソフトにログインするのには、IDとパスワードで本人認証を行うといった必要があります。
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