薬歴管理のために集めた情報の整理と分析評価

公開日: 2015年05月25日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
薬歴簿を作成のために、医療機関や患者さんからいろいろな情報が収集されますが、これらは整理され分析されていないと単なる膨大なデータということになってしまいます。しっかりと処方鑑査や患者さんへの服薬指導に活かすためにも、整理や分析をすることが大切です。

薬歴管理における情報感度と情報の取捨選択

薬歴簿も単に調剤の記録を記したり、患者さんからの話をメモしておいたりというだけであれば、普通の日記帳と変わらなくなってしまいます。薬歴簿の最終目的は、情報収集したものを整理し、そして患者さんの薬物治療の質を高めたり、QOLを改善したりするためにそれらを分析して活かしてこそ、価値のあるものになっていきます。薬歴簿を作成するときに意識しておきたいのが情報の種類です。収集した情報には、添付文書や書籍、処方箋等の客観的情報と、患者さんからの主観的情報があります。もちろん情報の確度を考えれば客観的情報のほうが強いということが言えますが、主観的情報は、少なくとも患者さんがどう感じているかといった内容が盛り込まれています。特に患者さんとのコミュニケーションから聞き出した情報は、取り扱う薬剤師側も注意が必要です。患者さんは話したいことを話ますので、その話の内容は玉石混淆で、中には治療に役立つ情報もありますが、どうでもいい治療には関係ない世間話的なものもあります。なんでもかんでも薬歴簿に記載してしまうと、後で見たときに非常にわかりづらく、重要なポイントの見落としにもつながってしまいます。薬歴簿作成には、必要な情報を察知する能力の他に、情報を取捨選択する能力も必要になってきます。

患者が持っている問題点を整理した上での対応

薬歴管理で情報収集した内容を吟味するときに、その内容を問題点によって分類する方法があります。1つ目は、今実際に起きている実存型の問題への対応です。2つ目が、ハイリスク型の問題でこの中には、患者の環境や疾患の特徴から今はまだ起きていないが今後起こる確率があるというものへの対応です。3つ目として可能性型の問題があり、それほどの頻度があるものではありませんが、添付文書や患者の情報からみて今後起こる可能性はあるものへの対応となります。これらの違いを踏まえ、患者にも状況提供していく必要があります。さらに薬の服薬コンプライアンスもしっかりしていて、副作用も起きておらず、症状も改善傾向があるといったなんの問題もないと思われる場合でも、より質のよいQOLの改善や薬物治療ができる可能性があるということも常に考えることが大切です。薬剤師が薬歴をしっかりと作成しなかったというようなニュースも流れたりしていますが、個々の患者の状態等を把握し、整理・分析していくためにもしっかりと薬歴管理をしていく必要があります。
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