量から質の時代になった薬局の医薬分業とその評価

公開日: 2015年06月17日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬分業は、欧米では古くより完全分業が行われていましたが、日本では1949年9月に「医薬分業実施勧告」と言われる勧告が出され、1956年4月1日から「医薬分業法」が施行されています。しかし医薬分業は進まず、1975年以前の日本の医薬分業率はたった1%でした。1974年10月に医療費改定が行われ、公的医療費の削減を目的に医薬分業が推進されるようになり、政府も医薬分業率の向上を目指してきました。

効果が出ている分業率と調剤薬局の業務

自分の病歴や体の特徴を知っているかかりつけ医を持つと同時に、薬局においても薬歴を一元的に管理しているかかりつけ薬局を持とうという行政の働きかけもあり、分業推進施策に合わせて診療報酬の改訂などが行われた結果、2014年には日本の医薬分業率は約70%にまで上昇しました。この医薬分業の評価において、5月11日に規制改革会議の健康・医療ワーキング・グループで議論が行われ、後発品の使用割合とともに医薬分業の普及も一定の効果が得られているという結論になりました。医薬分業は、患者の医薬品の適正使用推奨、薬物療法の安全性・有効性向上が目的として行われているもので、医薬分業率が高くなることが、1日当たりの薬剤料が低くなるという報告もあります。日本の分業率もかなり上がってきていて、行政は医薬分業率という量の問題もさることながら、実際にその分業が狙った施策にあったものなのかどうかという分業の質についても問われるようになってきています。かかりつけ薬局の定義なども含め薬局の評価の検討が行われています。

薬の専門家として期待される薬剤師の貢献

国が医薬分業が推奨してきたのには、患者さんに医薬品等を安全に適正使用してもらうという側面と、無駄な医薬品供給を抑制し医療費を抑えるという側面があります。患者さんの適正使用についての薬剤師の貢献としては、患者さんの重複投与や相互作用のチェック、疑義照会、丁寧な服薬指導、患者さんが余らせた残薬を減らすといった業務があります。そのためにも薬剤師のカルテと言われる薬歴管理は薬剤師の重要な業務の一つとなります。一方、医療費抑制における薬剤師の貢献としては、後発医薬品の使用推奨とともに、やはり残薬を少なくしていくことが関係しています。確かに後発医薬品の利用率はあがり、薬剤師による残薬チェックも評価されていますが、薬学教育が4年制から6年制になり、より高度な知識と技術をもった専門職として薬剤師にはさらなる期待がかけられています。診療報酬改定においても、薬の一元的・継続的管理という観点でかかりつけ薬局を高く評価する傾向になってきていて、5月現在、次回の調剤報酬改定において、どういった項目に重点を議論するか検討されています。
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