相互作用で軽視されがちなOTC医薬品・健康食品

公開日: 2015年06月12日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
お薬手帳には、調剤薬局で処方調剤されて出された薬に関する情報が記入されます。したがってきちんとお薬手帳に記録されていれば、どこの薬局でも確認することができますが、OTC医薬品や健康食品までは、通常なかなかお薬手帳に記載されません。

意外と難しいOTC医薬品との相互作用

相互作用を考えたとき、医療用医薬品については薬歴を調べれば服用しているものがわかるので容易に相互作用や現れやすい副作用をチェックすることができます。患者さん側も、医療用医薬品は効き目が強い分、副作用や相互作用に気をつけなければと思っていますが、OTC医薬品となると軽医療で使われるもので、医療用医薬品ほどは意識していません。OTC医薬品の添付文書を見ると、医療用医薬品との相互作用の問題もあるので、「医師の治療を受けている人は、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」という記載があります。これは、OTC医薬品を購入・使用する前に、医療用医薬品を何か使っていないか薬局やドラッグストアでチェックするという内容になっています。これに対し、医療機関や調剤薬局では、患者さんがOTC医薬品を使っているかどうかは、「何か市販のお薬はお飲みですか?」というような質問をして聞き出さなければ、患者さんから自主的に話をしてくれるケースは少ないと思われます。またOTC医薬品は同じブランドの製品でも成分が違っているケースがあり、さらに複数の成分が配合されているのが普通です。患者さんもブランド名は言えても、製品名を正確に言うことできない場合が多く、相互作用のチェックを難しくしています。風邪薬などは来局したときは風邪を引いていないので服用していないと回答したものの、その後、風邪を引いて服用する可能性もあります。そういったことがOTC医薬品の相互作用チェックを難しくしています。そういったことも予想して、患者が飲む可能性があるものについても服薬指導していくことが大切です。

まだまだデータが少ない健康食品との相互作用

OTC医薬品よりも、さらに注意が必要なのが健康食品です。OTC医薬品であれば、まだ「医薬品」という意識がもたれていますが、健康食品となると「食品」だから安全ととられてしまいます。したがって、患者さんから積極的に、私はこういったサプリメント・健康食品を飲んでいるけどお薬との相互作用は大丈夫ですか?というようなことを言ってくるケースはあまりありません。医薬品と食品に関する相互作用については、いろいろな書籍も出されています。セント・ジョーンズ・ワートは、ジゴキシン、シクロスポリン、インジナビル、テオフィリン、ワルファリン、経口避妊薬等の効果を弱める相互作用があるおそれがあるとして、注意喚起の通知まで行政から出されています。医薬品との相互作用において、セント・ジョーンズ・ワートやグレープフルーツジュースのように有名なものは患者さんに注意喚起できますが、飲んでいるすべての健康食品やサプリメントを聞き出し評価するのは非常に難しく、健康食品の原材料として利用されているものはかなりあります。医薬品との相互作用については多くのものが不明です。あらゆるケースを想定し、薬を服用して体調に変化があった場合は気軽に相談してもらうよう一言かけることも大切なことです。
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