ヒューマンエラーをいかに失くすかがリスクマネージメント

公開日: 2015年07月06日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
調剤過誤の原因の多くには、人的要因であるヒューマンエラーがからんでいます。ヒューマンエラーの代表例としては、コンピュータの入力ミスに由来する薬剤情報提供文書や薬袋の記載ミス、散剤や液剤の秤量・計量ミスなどがあり、場合によっては重大な事故にもつながりかねません。

ヒューマンエラーの知識不足・技能不足による問題

ヒューマンエラーについては、日本医療機能評価機構が、ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業を行っていて、ヒヤリ・ハットで一番多かったものとして「確認を怠った」という結果がでています。ヒヤリ・ハットが起こる内容としては、誤りがあったが患者さんに渡る前に事前に発見されたもの、事前に発見されず患者さんに渡ってしまったが患者への影響が認められなかったか軽微だったものなどがあります。どうしてこういったヒューマンエラーによるヒヤリ・ハットが起こるのかというと、薬剤師の知識不足、技量不足、情報共有の不備などがあります。知識不足については、薬に関する知識がなかったことにより起こるもので、常用量、相互作用、禁忌、副作用、過量投与といった知識がなかったり、調べるのを怠ったために起きてしまうものです。技量不足は、散剤・液剤・軟膏剤などの外用剤の調剤技術が未熟だったために、方法を間違えたり上手くできなかったりするために起こってくる問題です。これらの知識不足・技術不足に関する問題は、個々のスキルアップ・注意・努力といったものも必要になってきます。また、調剤に追われ忙しく、ついついルールとして決められている確認を怠ったり、薬をよく見て確認しなかったりということで起こってくるヒューマンエラーもあります。これについては、薬局でどういったルールでやっていくのか、それをきちんと守るためには何が問題なのかを話し合うことも大切です。

ヒューマンエラーの情報共有の問題とシステムエラー

ヒューマンエラーを失くすためには、自分が努力をして知識や技量を身につけ、注意・努力するといったことだけでは解決できないものもあります。たとえば情報共有がうまくされていなかったり、調剤ミスをしやすいような棚の配列であったりといった問題は、一人では解決できません。また職場の人間関係も大きな影響を及ぼしてきます。職場の雰囲気や人間関係が仕事に対する意欲を低下させることにより、注意力が散漫になる場合もあります。調剤を一人の薬剤師でなく複数で行う場合は、チームプレーとなりますが、相手を信頼しすぎたり、逆に疑心暗鬼になりすぎたり、情報共有がうまくできていなかったりすることで、相互確認・チェック機能がうまくはたらかないといったケースもあります。ヒューマンエラーをゼロにすることは非常に難しいことですので、人間の特性と限界を理解し、エラーが事故に直結しないように薬局全体で取り組むことも大切です。またヒューマンエラーとは別に、ミーティング・連絡不足、人員不足による多忙や疲労などからくるシステムエラーに対する対策もしっかり行うことが調剤過誤を失くすために大切なことです。
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