中期視点に立った社会保障政策の展開における将来の薬局像

公開日: 2015年07月15日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2015年5月26日に経済財政諮問会議が開催され、社会保障分野の改?について厚生労働省から中長期的な考え方が「中長期視点に立った社会保障政策の展開」として提示され、「患者のための薬局ビジョン」を2015年中に策定し、2025年までにこのビジョンに基づいた施策を推進することになっています。

患者のための薬局ビジョンは2015年中に公表

「中長期視点に立った社会保障政策の展開」では、重点改革事項としては、(1)保険者が本来の機能を発揮し、国民が自ら取り組む健康社会の実現、(2)医療介護サービス体制の改革といった地域包括ケアシステムの構築、(3)薬局の在り方を見直し、医薬品の使用を適正化、(4)後発品の使用の飛躍的加速化をあげていて、2015年中に「患者のための薬局ビジョン」を策定・公表し、薬局薬剤師の地域包括ケアへの参画を促進するとしています。後発医薬品については、2016年度末までに数量シェア60%以上、2020年度末までに80%以上という数値目標が示されました。薬価改定の実施、調剤医療費の合理化と抑制、効率的な投薬・残薬管理の実現等が論点となっていて、薬局に関して、24時間対応、在宅対応、服薬指導と処方提案、患者情報の一元管理や残薬解消が求められています。

調剤報酬における薬局淘汰の時代がやってくる可能性

経済財政諮問会議で塩崎厚生労働大臣は、中長期視点に立った社会保障政策の展開について、「時間軸を考えて実現していく。5万7000軒の薬局についても全てを残すわけではない。マイナンバーを使えば、医療情報を一元化できる。」と述べています。マイナンバー制については、年金情報流出問題が浮上し、セキュリティの甘さに対する懸念が国民に広がり、医療分野での活用はかなり遅れる雲行きになってきました。薬剤師として気になるのは「5万7000軒の薬局全てを残すわけではない」という発言の部分ですが、これは薬局も淘汰されてしかるべきであり、かかりつけ薬局、さらには地域医療に参画し地域のケアステーションとして機能しない薬局については淘汰されても仕方がないともとれます。今後日本はますます高齢化社会になり、医療機関を受診する人は増えていくことが容易に想像できますが、そんな中、医療費の削減をしていくのは至難の業です。患者数は増えるということは処方箋の枚数も増えることが予想され、そんな中で飛び出した薬局淘汰とも取れる発言は、医療費削減を後発品の使用や残薬減少をしっかりと進めていこうという表れかもしれません。今までも政府は、将来あるべき薬局像の推進、医薬分業の推進のため調剤報酬に関して、加算したり、逆に大幅カットしたりしてきています。今後、医療費削減問題とも合わせて、後発品の処方率が悪い薬局、服薬指導や情報の一元管理がしっかりできていない薬局などの調剤報酬を大幅にカットすることで、薬局の淘汰が行われていく可能性も十分考えられます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング