韓国で感染が拡がるMERSへの対抗策

公開日: 2015年08月05日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
韓国でMERSコロナウイルス( Middle East respiratory syndrome coronavirus)に感染した患者が175人で死者も27人になっています(2015年6月23日現在)。 欧州疾病予防管理センターによると、MERSコロナウイルスは、2012年サウジアラビアの病院に入院した患者で初めて見つかってから、2015年5月25日までの3年間にサウジアラビアを中心に中東やアメリカ、ヨーロッパ各地で1300人が感染したことが確認されていて、そのうち500人が死亡していて、致死率は40%程度に上るとみられています。

MERSの感染状況と感染源・潜伏期間

2015年6月10日現在では、ドイツなど25カ国で感染が確認され、感染者の数ではいままでサウジアラビアが1000人以上、死者が450人と圧倒的に多く、UAEが感染者77人、死者10人で2位となっていましたが、韓国がUAEを抜いて2位となっています。MERSの特徴は、感染すると、発熱・せき・息切れといった症状が現れて、やがて肺炎を起こして呼吸困難になります。糖尿病・心臓病といった慢性病患者や高齢者は重症化しやすいと言われています。人から人へ、咳などで出る飛沫を吸い込むことなどによる感染ルートが考えられていて、潜伏期間は長くて2週間程度とされていますが、予防のためのワクチンはなく治療法も確立されていません。もともと動物の体内にいたウイルスが、ヒトに感染するようになったとみられ、中東のラクダが感染源の1つではないかと考えられていますが、詳細なことはわかっていません。

MERSの感染に対するいろいろな対応策

MERSは、コロナウイルスで、1本鎖RNAをもったRNAウイルスで、外側を異質二重膜で覆われたエンベロープをもっていて、同じコロナウイルスであるSARS(severe acute respiratory syndrome)重症急性呼吸器症候群ウイルスとよく似ています。MERSは、法的にはSARS・鳥インフルエンザウイルス(H5N1)・結核等とともに、感染力、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみたリスクが高いとされる「2類感染症」に分類されています。日本において感染拡大を防ぐには、MERS感染者を入国させない水際対策が空港等でとられています。MERSに対する医薬品はどうなっているかというと、エボラ出血熱のときに効果が明らかになった抗インフルエンザウイルス薬であるアビガンは、MERSコロナウイルスに対して作用機序的には有効と考えられますが、本当に効くかどうかはデータ不足といった状態です。京都府立大大学院と米国陸軍感染症医学研究所の共同研究で、傷の治りが極めて速く、抗体を作る能力にも優れているダチョウの卵を使ってMERSコロナウイルスの抗体に強く結合する抗体の大量精製することに成功し、感染予防に期待が集まっています。現在韓国と米国に配布され、スプレー剤として大量生産されています。
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