散剤の計量調剤を正確に行うためのポイント

公開日: 2015年07月17日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
メーカーからPTP包装やSP包装された製品を処方箋に書かれた量を取り揃え、そのまま出す計数調剤とは違い、散剤の計量調剤は、秤量ミス、分包誤差、クロスコンタミネーションといった問題が生じる余地があり、混和した後は見分けがつきにくい点から、計数調剤に比べより注意が必要です。

しっかりと調剤薬鑑査ができるようにメモを残すことが大切

散剤の計量調剤には、向精神薬や抗がん剤などもあり、秤量間違いによる死亡事故も起きているので厳重な注意が必要です。クロスコンタミネーション防止の面からも、調剤する場所を常に整理整頓し、清潔に保っておくことはもちろん、乳棒・乳鉢・秤量皿などの調剤器具・機器に他の薬剤が付着していないかを常に意識することが大切です。また散剤は小児に多く処方されるので、特に小児薬用量を意識して、賦形剤の添加にも注意を払います。電子天秤は水平やゼロ点調整をしっかり確認し、秤量する薬剤は、処方箋の裏面などにメモとしてしっかりと記録し残すようにすることが、調剤薬鑑査におけるチェックミスを防ぐ意味でも重要です。このとき、他の人が見てもわかりやすいように計算の過程や、全量、何分割にするかなどの情報も残しておきます。処方箋の備考欄には医師以外の者は記載が許されないので、秤量メモは、処方箋の裏か、別途メモに記載ししっかりと処方箋と紐づけておく必要があります。薬を秤量する時は、しっかりとラベルを確認します。

混和の具体的な方法とそのポイント

薬剤同士や、薬剤に賦形剤を混ぜ合わせていく過程が混和になります。混和の前に中間鑑査を行う場合は、厚紙の上に秤量した順に離して並べ、チェックしやすいようにしておきます。混和時に一般的に用いられるのが、乳鉢と乳棒で、その他、調剤用ミルや調剤用ミキサー等が使用されることもあります。乳鉢を動かしながら乳棒を乳鉢に対して垂直にしたまま、乳鉢の中心から外側に向かって10回、続いて逆回りで外側から中心に向かって10回を1セットとして3回繰り返して混和し、この計60回が混和のだいたいの目安とされています。混和は一定の時間を超えると、それ以上混和してもよりよい混和状態にはならなくなります。乳鉢の選択ですが、混和する薬の合計量を乳鉢に入れたとき、深さが1/3を越えないようにするのが良いとされています。きわめて少ない量の劇薬等を配合する場合は、他の配合薬を少しずつ混和して均等にしていき、また比重が異なるものを混和するときは、スパーテルでの撹拌も行うと効果的です。混和した後は、分包し調剤薬鑑査を経て、患者さんに手渡されることになります。混和した後は見分けがつかなくなるので、しっかりと秤量記録をメモしておき、複数の薬剤師による確認を行うといった組織でのルールづくりも大切です。最近では散剤鑑査システムがあり、薬剤の容器に印刷されているバーコードをリーダーで読み込むことにより調剤する薬剤師に必要な情報を注意喚起するシステムや、生年月日や体重を入力すると、薬用量が適切であるかを判定できる機能をもったシステムも開発されています。
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