高齢化社会を迎えた2015年介護保険制度改正の方向

公開日: 2015年08月19日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2020年東京五輪も終わると、会社を退職していた団塊の世代の人たちが75歳になってきます。現在でも日本の人口は毎年25万人~30万人のペースで減り続けている一方、2025年には、約700万人が高齢者となる見込みです。こうなってくると、増える高齢者に対する介護保険制度が重要な問題になってきます。

特別養護老人ホーム新規入所資格は要介護3以上に

高齢化社会が進み、介護保険制度のあり方が問題とされる中、3年に1度行われてきた介護保険制度の改正が2015年にも行われ、特別養護老人ホーム(特養)への新規入所資格が改正され、原則要介護3以上でないと入所できなくなりました。要介護3というと、身だしなみや部屋の清掃等といった身の回りのことができなくなる状態で、全てできなくないような状態ということになります。立ち上がったり歩いたりすることが自分ではできなくなっていて、排泄するにしても入浴するにしても、食事でさえ、全て介助が必要な状態です。厚生労働省は2014年3月現在のデータとして、特養の入所待機者を試算していますが、それによると52万4千人となっています。今から申し込んだとすると、2~3年は待たされる計算になります。そこで、本当に介護が全面的に必要であり負担が大きい要介護3の人を優先するということで、2015年の改正が行われました。もちろん、寝たきりでなくても常時見守りや介護が必要な認知症の人などは、特例として特養へ入所できるようになっています。

訪問介護や通所介護は、地域支援事業に

2015年の介護保険制度改正において、特養の入所資格が原則要介護3になるのと並んで大きな変更点となっているのが、要支援1・養親2の人を対象としていた予防給付の訪問介護と通所介護が、地域支援事業となったことです。なおそれ以外のサービスは従前どおり予防給付対象となっています。2018年度からは完全移行となり、それまでは市区町村の判断により徐々に移行していく形になっていますが、地域支援事業となることで、全国一律の基準によるサービス提供だったものが、市区町村にサービスの内容や種類、事業所の運営基準や利用料などの設定が委ねなれるので、全国一律の水準が保たれていたサービスについて地域格差が生まれてくる可能性があることが懸念されています。一方、改正の意図としては地域密着型ということで、サービスの提供を介護保険の事業者以外にも、ボランティアやNPO、民間団体にも委託できるようになることから、より地域に根差した団体による介護サービスを受けられるようになり、地域ごとのニーズに応じた、住民も関わりやすくなることが期待されています。
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