健康情報拠点薬局から、健康づくり支援薬局へ

公開日: 2015年08月26日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
かかりつけ薬局の体制を構築していこうという国の施策の中で、2015年6月4日に、第1回健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会が立ち上げられ、6月18日には第2回の検討会も開催されました。そして健康情報拠点薬局について、かかりつけ薬局・薬剤師に求められている役割、日本再興戦略の中で薬局・薬剤師に求められている役割等を踏まえて検討され、2015年7月2日には第3回の検討会が開催され、2015年度中に検討されることになっています。

期待される健康づくり支援薬局の薬剤師の役割

第3回健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会において、 「健康情報拠点薬局」の名称について、新たに「健康づくり支援薬局」としようという名称案が提案されました。そして、この健康づくり支援薬局になるための要件について、今後論議されていくことになっています。論点としては次のものがあげられています。
1. かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師としての基本的機能
2. 薬剤師の資質
3. 薬局の設備
4. 薬局における表示
5. 医薬品の供給体制
6. 開局時間
7. 地域における連携体制の構築
8. 健康相談・健康づくり支援
9. その他

論点の最初にあげられた、かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師としての基本的機能については、備えるべき機能の詳細に関する今後の検討を踏まえて議論することになっていて、この中には、患者情報等の一元管理、在宅や24時間体制に対応する機能、医療機関との連携、調剤だけでなくOTC医薬品や機能食品等も含めた幅広い健康知識の提供などを含み議論が進んでいくものと考えられています。
薬剤師として考えた場合、一番気になる2番目の薬剤師の資質ですが、調剤以外にも要指導医薬品、OTC医薬品、健康食品等に関する知識や適切な情報提供が必要となってくることから、研修を修了した薬剤師の常駐が健康づくり支援薬局としては必要ではないかとの意見がだされています。その研修内容の中には、生活習慣病に関する基礎知識と受診勧奨を含めた関係職種との情報共有、連携の方法といった知識面の項目以外に、患者や来局者が気軽に相談できるコミュニケーションの取り方といった実務に即した実践的な内容も検討対象になっています。健康づくり支援薬局となると、処方箋調剤のみをやってきた薬剤師にとっては、さらに上乗せした知識が必要な時代になってきています。

検討される健康づくり支援薬局となるためのハードル

健康づくり支援薬局の要件として、薬局のハード面では、個人相談がしやすいように、OTC医薬品や健康食品についても相談しやすくプライバシーが守れる空間として、パーテーション等の個人情報に配慮した相談スペースの確保、健康づくり支援内容の提示、一定時間以上連続した開局といった条件が検討されています。提供する医薬品の種類の問題としては、現在セルフメディケーション・サポート薬局では、要指導医薬品・一般用医薬品の平均値が300品目、中央値が235品目となっていますが、保険調剤サポート薬局では、平均値が64品目、中央値は28品目となっています。当然、調剤薬以外にこれらの医薬品を多く置くことになると、品目が増えれば増えるほど、スペースも必要となるばかりか、相談件数も増えてきます。今後限られたスペースの中で、いかに健康づくり支援薬局が実現していくかというハード面が、薬剤師の資質といったソフト面以上にネックとなってくるのかもしれません。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング