ナンバー制で問題となる個人情報の漏えい

公開日: 2015年09月09日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
漏れた年金問題をはじめとして、個人情報の漏えいが最近テレビや新聞をにぎあわせています。そんな中、すでに2015年10月にはマイナンバー通知が出され、現在、政府はマイナンバー導入のためのチェックリスト作成づくりをしているところです。マイナンバーの利用も通知から2ヵ月後の2016年1月から開始予定となっていて、目前に迫ってきています。

当面は見送られた医療分野でのマイナンバー制度

マイナンバー制度は、行政機関間での情報連携となっていて、通常はそこから情報は洩れることはなく、国の機関でまず2017年1月から情報連携が行われることになり、半年後の2017年7月からは地方自治体までその範囲が広げられることになっています。しかし、最近では漏れた年金問題をはじめ、国の関係機関や委託団体からの情報漏えいもあり、ハッキングされないシステムが求められています。一応、データマッチングに個人番号を利用できるのは行政機関に原則限られていて、米国のように民間企業にまでオープンにはなりませんが、ハッキングされる恐れは残り、またインターネット上では暗号を使ったり、インターネットではなく外部とは閉じられた環境での使用をするとしても、情報にアクセスできる人間として選ばれた人の中に、不届き者がいるとたちまち情報は漏えいしてしまいます。こうした数多くの問題をかかえながら、マイナンバー制度はスタートしていきますが、幸か不幸か、医療分野への利用拡大は当面見送られることになりました。しかし、2017年7月以降のできるだけ早い時期に実施するという意見もあり予断を許さない状況になっています。消えた年金問題ですら片付いていない中、果たして本当にマイナンバー制度がうまくいくのか疑問視する声もあります。

マイナンバー制に代わる三師会が進めている番号制度

医療分野でのマイナンバー制度は、とりあえず回避となった状況ですが、三師会、いわゆる日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会が中心となって、マイナンバー制度に代わる番号制度等のあり方や医療等ID導入の具体策が検討されてきました。本人の同意が大前提にあるものの、利用目的に応じて、複数のIDを持つことができ、そのIDには既往歴や服薬歴などの個人情報が含まれることになります。本人の同意に基づくことと、目的に応じて複数のIDを持つこと、本人も内容を閲覧できる、情報の紐づけや検索に条件を設けるといったことが検討されています。今後将来進んでいくであろうマイナンバー制度との整合性や、インフラの整備、個人情報をいかに保護していくかという問題が課題になっていくと思われます。いずれにしろ、医療分野の個人情報には、他人に知られたくない情報というものも含まれる可能性も高く、その取扱いには十分な配慮が必要になってきます。
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