かかりつけ薬局・薬剤師時代に見過ごせない薬歴未記載

公開日: 2015年09月16日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
薬局は健康づくり支援薬局に代表されるように、地域の他の医療機関と連携をして、国民の健康を守り、健康づくり支援の基地ともいうべき存在にならなければならない時代になってきました。国では国民一人一人の健康管理をサポートするかかりつけ医と同様に、かかりつけ薬局を持つことなども推奨されています。

残念な結果に終わった薬歴未記載問題の調査

日本薬剤師会の中では、日本の高齢化社会に求められるものは、「かかりつけ薬局」ではなく「かかりつけ薬剤師」ではないかという意見もあり、より薬剤師としての資質が問われる時代になってきています。そんな中で、最近では薬剤師としてはあるまじき薬歴不記載という問題が、しかも複数、大手ドラッグストア等で相次いで起きて、マスコミの題材にもされてきました。時代の流れに逆行するような事件ですが、薬剤師は、調剤をはじめとした知識と技能・スキルを高めることはもちろん、薬歴をしっかりと管理し情報を共有していかなければならない時代になってきています。発覚した薬歴不記載の事例が、氷山の一角ではないことを願いながら、日本薬剤師会、JPhA(日本保険薬局協会)、JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)は、業界団体として自主点検を行った結果、全国1220件の薬局で81万2144件の薬歴未記載があったことを発表し、厚生労働省はそうした場合は調剤報酬の自主返還を求めることになっています。この結果は、薬剤師に対する国民や行政からの信頼を大きく損なう結果になってしまい、薬歴不記載の問題は、薬剤師常駐問題などとともに、医薬品の販売制度や今後の保険制度のあり方についても影響を及ぼしかねない結果になっています。

薬歴は、今後の保険制度を考えていく中でのキーワード

薬剤師に関連して言えば、リフィル処方箋で薬剤師が患者の状態をみて、病院やクリニックにいって診断を受けなくても、半年なら半年、複数回にわたって1つの処方箋で処方ができるようにしたらどうかという意見もでていますが、患者の薬歴すらしっかりと管理できない薬剤師に、そこまで求められるかというようなことで、何かにつけて薬歴不記載問題は引き合いに出される事態になってしまっています。特に大手のチェーンドラッグストアでは、表向きは患者の利便性を追及とかいう理由で、いたずらに調剤スピードを競ったりする傾向もみられました。確かに利便性という面では待ち時間が無いというのは良質なサービスにつながりますが、そのために薬歴記載がおろそかになってしまうのであれば、本末転倒です。薬歴は、かかりつけ薬局の意義を考えるうえでも、健康づくり支援薬局ということを考える上でも、地域との医療機関との連携ということを考える上でも、診療報酬を含むあらゆる保険制度と切っても切れない重要なキーワードになっています。ハード面では、電子薬歴といったものもあり、いろいろと改善されていますが、それを使いこなす薬剤師、ソフトの面がしっかりしていないと、すべてうまく回らなくなってしまいます。かかりつけ薬局の時代だからこそ、薬剤師の果たす役割は大きいくその責任も重いと言えます。
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