医薬品の安全性・有効性の視点からも大切な品質規格試験

公開日: 2015年10月05日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
食品では、産地の偽造など表示偽装問題が大きな話題となってきましたが、こうした事件が起こるたびに問われるのが製品の品質ということになります。日本の場合、品質はしっかりしていて当たり前というような感覚がありますが、特に生命関連物質である医薬品はより厳格な品質が求められます。医薬品にはいろいろな特性値が厳密に規定されていて、それぞれの特性値の範囲内に収まっているかどうかが厳しく品質規格試験によってチェックされています。

承認の必須要件にもなっている品質試験

医薬品の品質規格とは、その医薬品について、特性値が一定の水準以上のものであるということを保証するものであり、そのために成分の定量値や純度を確認するための試験や分析が行われます。これが医薬品の品質規格試験になります。医薬品の場合は、有効性・安全性・安定性を考慮して、製品はもちろん、原薬や治験薬に対してもしっかり品質規格項目とその規格値が定められています。形状や色といった定性的なもの、有効成分等がきちんと入っているかどうかを確認する定量試験、確認試験、純度試験、無菌試験、生物学的同等性試験などが医薬品の品質を担保するのに必要となってくる試験です。これらの試験は、医薬品が承認されるための必須条件になっています。通常は同一検体に対して3回繰り返して測定され、その平均値が出されることになっています。

医薬品に必要とされる品質規格試験

医薬品の承認要件にもなっている品質規格試験ですが、確認試験、純度試験、定量試験、各製剤に特徴的な試験といった複数の試験が行われます。一番簡単なのは外見のチェックで、医薬品の承認書だけでなく添付文書にも、薬剤の性状という形で記載されます。確認試験は、その製剤に本当に有効成分や特徴的な成分が入っているかどうかを確認するための試験で、赤外線吸収スペクトルやTLC(薄層クロマトグラフィー)等によってその特性値が確認されます。純度試験は、その製品における不純物の存在を確認するもので、特定の不純物の量を定量する定量試験と、不純物が限度量以下であるかどうかを確認する方法とがあります。定量試験は、有効成分等がしっかりと規格量入っているかといったことを確認するために行われます。その他医薬品の場合は、内服の固形剤等であれば、錠剤に含まれる成分含量が均一であるかどうかを調べる含量均一性試験や、錠剤やカプセルからの有効成分の溶出が適切であるかを調べる溶出試験、錠剤などの崩壊試験、さらにチュアブル錠などではちゃんと口で噛み砕けるかを確認する硬度等が調べられます。液剤では、液性としてpHが調べられたり、水分含量等が試験されたりします。注射剤だと、無菌性試験や微生物に起源とされるエンドトキシン、不溶性微粒子、浸透圧等について試験が行われます。
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