品質の試験自体が適切かどうかを見極める分析法バリデーション

公開日: 2015年10月19日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬品の承認の要件に、きちんとした品質保証ができていることが条件となっていますが、医薬品を開発するときには、その医薬品の品質をどのように担保するかという問題も重要になってきます。多くの分析法を行っても、その分析法の設計が間違っていたら何にもなりません。

医薬品や試験法の目的によっても変わる分析法バリデーション

医薬品の品質規格試験は、確認試験・純度試験・定量試験などいろいろ行われますが、定められた分析法が本当に妥当なものであるのかを立証する必要があります。分析法バリデーションのバリデーションとは、妥当性を検証することであり、定められた試験法の内容に応じて、実施するべきバリデーション項目が決められ、そしてその分析能を評価していくことになります。この分析能を評価するに当たっては、いろいろなパラメーターがあります。この分析能のチェックは、医薬品の種類や試験法の目的によっても変わってきます。バリデーションによる測定値は、通常同一検体について3回、場合によっては5回測定を繰り返し、その平均値を取るのが普通になっています。

医薬品に必要とされる品質規格試験

分析法のバリデーションの中で、定量試験や純度試験で重要になってくるパラーメーターの一つに真度があります。これは、実測値と理論値との一致の程度で、既知の量を加えた検体を分析することによる回収率でチェックされます。同じく定量試験や純度試験で重要とされるのが精度で、同じ検体から何回も摂取した場合にそのばらつき具合を示したものです。このばらつきが少ないほど精度が高く、分析法として信頼できるということになります。特異性は、試料中に不純物や溶媒がある中で、きちんと目的の成分を分析測定できるかどうかの分析能ということになり、確認試験では分析する対象物を間違いなく確認できるかの分析能が、純度試験では試料中の不純物の含量が正確に測定できるかの分析能が、定量試験では、分析対象とする有効成分の含量や力価がいかに正確に再現性をもって分析できるかという分析能が必要になってきます。たとえば、液体クロマトグラフィー等による分析法一つとっても、使用する溶媒やカラムの種類によって、ピークの高さやピーク面積、バンドの広がり等が変わってきます。こうした中、いかに目的の物質が他の物質と分かれて、しかも再現性ある形ででてくるかということを考慮し、カラムの種類や太さ、長さ、溶媒の種類やその流出速度などを検証し、最適の条件を見つけだしていく必要があります。医薬品の開発といえば、医薬品の効能や臨床データの方に目が行きがちですが、医薬品開発の裏には、その医薬品が、有効成分以外の添加物や不純物がある中、いかに正確に再現性をもって確認試験や純度試験、定量試験などの品質規格試験が行えるようにするかという分析法まで、しっかりと検討しなければならないという事実もあります。
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