テレビ電話などの通信技術が進む中での遠隔診療

公開日: 2015年09月30日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2015年8月、遠隔診療についての通知が、厚生労働省医政局長通知として発出されました。内容は、通信技術が進み、スカイプやテレビ電話といったものが普及し、在宅医療も進んできている中、医師法における診療の考え方や遠隔診療が医師法に対して合法かどうかということについて明文化した内容となっています。

通知で示された医師法の中での遠隔診療の考え方

遠隔医療というと、離島やへき地などでも診療が行えるというものであり、患者が医師から距離が離れているところでインターネットを通して診療を受けるものです。移動時間の無駄が省ける、へき地でも一定水準の医療が受けられるといった利点があり、医師不足の解消策としても注目を集めています。遠隔診療に関する通知は、すでに1997年に出されていますが、それから既に四半世紀経っており、その間スカイプを中心としたインターネットの普及などで、情報通信機器の開発や普及が進み、医療機器もいろいろと最新のものが開発されてきている状況で環境もだいぶ変わってきています。そういった背景から改めて遠隔診療における通知が出されました。今までの通知では、遠隔医療については、初診及び急性期の疾患に対しては、原則として直接の対面診療によるとし、直接の対面診療を行うことができる場合や他の医療機関と連携することにより直接の対面診療を行うことができる場合は、やはり対面診療が原則であるという考え方については今までとおりとなっています。

新たな通知と今後の遠隔診療に期待されるもの

今までの通知では、例外として遠隔医療が認められるケースとして、離島やへき地で往診・来診に相当な時間がかかったり、天候その他で危険を伴ったりするなどの理由がある場合について認められてきました。また、在宅酸素療法、在宅難病患者に対する心電図、血圧、脈拍、呼吸数などの観察や、在宅糖尿病患者の血糖値観察、在宅ぜんそく患者の呼吸機能観察、在宅高血圧患者の血圧観察、在宅アトピー性皮膚炎患者の症状観察、褥瘡患者の症状観察、在宅脳血管障害患者の血圧や脈拍、運動機能、在宅がん患者の血圧や脈拍、呼吸数などの継続的な助言や指導も認められてきました。遠隔医療を論じるときに、問題となってきたのが医師法第20条等における「診察」とは何かということの解釈ですが、8月に出された通知では、「診察」は疾病に対して一応の診断を下し得る程度のものとし、遠隔診療についても、現代医学から見て疾病に対して一応の診断を下し得る程度のものであれば、医師法第20条等に抵触しないとはっきり明文化されました。遠隔医療が今後広がっていけば、医療機関が近くに無い患者にとっての利便性が図れるばかりでなく、在宅医療の中で医師がリアルタイムで患者の状況が把握でき適切な治療をしやすくなるといった利点が期待されています。
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