五輪に世界陸上、盛り上がっている裏で問題となるドーピング

公開日: 2015年10月14日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
新国立競技場の建築費問題や、ロゴマークのデザイン盗用問題など、あまり好ましくないような話題で盛り上がってしまっている2020年の東京五輪ですが、テレビをつけてみると、高校野球やバレーボール、それに中国では世界陸上が始まっています。夏が終わり秋に入っていくと、スポーツの秋、ますますスポーツが盛んなシーズンに入っていきます。五輪や世界陸上という言葉を聞くと、医療関係者が連想してしまう言葉、それがドーピングです。

ドーピングにならないように細心の注意を

ドーピングというと、ホルモン剤や筋肉増強剤というようなイメージがあります。ドーピングとなる薬には、どのスポーツ大会においても世界アンチ・ドーピング規定において禁止されているものと、特定の競技やスポーツ大会独自で規制されているものがあるので注意が必要です。それぞれ出場する大会等の規定を注意深くチェックする必要があります。日本薬剤師会でも『薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック』を出しています。ネットや口コミでは、ドーピングになる薬はまずいが、競技やレースをやる中で、ドーピングに引っかからないものであれば、近代科学の推移を駆使して、ルールを守っているのだからと、どんな薬がドーピングにひっかからないで、しかも競技をやるのに対して有効なのかという書き込みが多くみられます。

ドーピングにはならない悩ましい薬の効能外使用

医薬品とは本来、疾病の治療を目的に使用されるもので、健常者がむやみやたらに服用するものではありません。当然副作用もあります。ところがスイッチOTCとなったロキソニンを、フルマラソン等のときに飲むマラソンランナーも結構いるようです。ロキソニンはドーピング薬ではなく特に禁止されていませんので、ドーピングのルール上は問題ありませんし、ロキソニンがあったから完走できたなんていう声もあがっているほどです。こうした薬の服用法に関しては、いろいろな意見があると思いますが、本来一般用医薬品としてドラッグストアで売られているロキソニンの承認されている効能は、筋肉痛になった人が、痛みを止めるために飲む薬です。つまりマラソン前に飲んで筋肉痛を予防するというような臨床試験をやって承認を得たものではありません。走らなければ胃腸障害などの副作用のリスクを取ってまでロキソニンを飲む必要もないのでしょうが、それじゃ走るな、マラソンはするな!というのも極論になってしまうかと思います。飲んで効果があるかと聞かれれば、作用機序から言うと効果があるということになるのでしょうけれど、正論としては効能・用法を守って適正使用をしてくださいということになります。痛み止めのロキソニンや痙攣予防に芍薬甘草湯をレース前服用といった話はよく耳にしますが、薬の適正使用が守られていない現状がこんなところにもあります。ドーピングではないので、自己責任といったことになるのでしょうが、必要以上の薬の服用は好ましいことではありません。
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