分割・粉砕調剤のやり方と留意点

公開日: 2015年10月02日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
患者さんが飲みやすいようにしたり、処方量を調節したりするために行われる調剤技術には一包化の他に錠剤やカプセル剤の分割、粉砕といったものがあります。錠剤の分割や、錠剤の粉砕、カプセル剤の開封調剤等は、処方量の調節の他に、錠剤やカプセル剤を上手く飲み込めない人のために行われることもあります。

錠剤分割と分割調剤との違いとは

錠剤の分割と分割調剤は、文字をみると語順が入れ替わっただけで一見同じもののように見えてしまいますが、意味合いはだいぶ変わってきます。分割調剤は、長期投与に関わる処方箋をもらったときに、処方薬の長期保存が困難であるといったような理由により分割して調剤を行ったりすることを言うもので、錠剤を半分に割るなどする錠剤分割とは全く違ってきます。よく間違えたりするので「錠剤分割」と「分割調剤」を混同しないように注意が必要です。錠剤分割ですが、錠剤を半分に割るなどする調剤行為ということになりますが、多くの錠剤では、分割しやすいように割線があらかじめ入っているものもあります。割線がある場合は、手を洗浄・消毒した後、割線を上にして両手の指で割線の両側を持ち、割線のない面に向かって力を入れて折るようにして錠剤を割ります。これで割りにくい場合は、カミソリやカッターナイフをアルコール消毒したあと、割線に合わせて刃を入れ、上から押さえるように力を加えて割ります。もし割線がない場合は、錠剤半錠器を使う方法があり、錠剤をはさむようにして力を入れて握り、錠剤を割ります。錠剤の分割は、腸溶錠等では好ましくなく、フィルムコーティング錠などでも、錠剤分割すべきでない場合がありますので、添付文書やインタビューフォームを参考に確認することが大切です。特に割線が入っていない錠剤の場合は、錠剤分割が好ましいかどうか確認することも大切です。

患者のための錠剤の粉砕とカプセルの開封調剤

子供や高齢者等では、錠剤やカプセル剤がうまく飲み込めない場合があります。またメーカーが出している規格含量ではない処方量の処方箋が来たりする場合があり、こうした場合は必要に応じて、錠剤の粉砕やカプセル剤の開封といったことが必要になるケースがあります。錠剤の粉砕は、乳鉢・乳棒を使う方法と、粉砕器を使う方法があります。乳鉢・乳棒を用いる場合は、乳鉢に錠剤を入れて、乳棒でひねりつぶすように砕き、もし錠剤が硬い場合は、透明なビニールなどで乳鉢を覆い乳棒で叩いてつぶしていきます。最後にふるいにかけて分包します。粉砕器を使う場合は、錠剤をセットし、スイッチを入れ、粉砕された錠剤を取り出してからふるいにかけます。カプセルの開封調剤は、そのまま手でカプセルを開封します。錠剤分割と同様に、腸溶性製剤、徐放性製剤は錠剤分割・粉砕や開封調剤はできません。また、軟カプセルはもちろん、光や湿気や臭いのマスクのためにフィルムコーティングされているものも、分割・粉砕・開封調剤はすべきではないので、注意が必要です。抗がん剤も、調剤者への暴露などのリスク回避のために、分割・粉砕・開封は避けるべきです。
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