軟膏剤の混合調剤の注意点とポイント

公開日: 2015年10月16日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
調剤の中でも面倒で大変なのが、軟膏剤の混合調剤になります。軟膏剤の混合調剤は、軟膏剤の基剤の特徴や混合の可否といった調剤の前の基礎知識が必要となってくるばかりか、軟膏板での混合など技術が必要となってくるものもあり、薬剤師による技術的な差が出やすいのが軟膏剤の混合調剤とも言われています。

軟膏剤の混合調剤に必要なものとその流れ

軟膏剤の混合調剤には、いろいろな方法があり、オーソドックスなものとしては、軟膏板での混合があります。またコンディショニングミキサーなどの機械による軟膏の混合も最近よく行われるようになってきています。また変わったところでは、軟膏同士ではなく、粉末や結晶といった固形剤を軟膏に混ぜて調剤するケースもあります。またガラス製の乳鉢や乳棒を使って軟膏の混合が行われることがあります。通常の乳鉢や乳棒は、細かい孔がある多孔質となっているため、軟膏剤がその孔に入り込んでしまい洗浄が大変になるため軟膏の混合調剤には用いられませんが、ガラス製の乳鉢や乳棒であれば、そういったことがないので、軟膏剤の混合に用いられるケースもあります。軟膏剤の処方箋がきたら、まず処方鑑査をして秤量してから混和作業に入り、その後軟膏壺などに充填し、鑑査を行い調剤終了となります。

軟膏の混合調剤の可否と混合のポイント

軟膏剤の混合をするときに必要となるのが基剤の相性や有効成分の安定性の知識になります。基剤には相性があって、油脂性の基剤の軟膏には、同じ油脂性の基剤のもの、場合によってはW/O型の基剤のものが混合できます。水溶性の基剤の軟膏の場合は、同じ水溶性の基剤のものが混合できます。油脂性の基剤のものと水溶性の基剤のものを混合することはできません。こうした基剤についての情報は、処方箋を見たり、製品を見たりしただけでは判断できない場合が多く、添付文書やインタビューフォーム、成書などでしっかりと確認しておく必要があります。軟膏剤の混合で軟膏板を使う場合は、軟膏へらをしならせながら押し出すようにすると混合しやすくなります。注意点は、軟膏を拡げたまま混合していると水分が蒸発しやすくなってしまうため、軟膏は広げては集めを繰り返して手早く行う必要があります。軟膏板を用いた軟膏の混合に加え、軟膏の混合調剤をさらに難しくしているのが軟膏壺への充填です。まずは少量を取り、軟膏壺の底の角を埋めるように充填し、その上に重ねるように軟膏を擦りつけていくことで空気の侵入を防ぎます。また軟膏壺を充填中に調剤台などにかるく打ちつけるタッピングということをすることにより、空気が抜けていきます。最近では、コンディショニングミキサーを置いている薬局も多く、軟膏の混合、軟膏壺への充填、空気抜きといった操作を機械がやってくれます。そのため軟膏板で混合するより短時間で調剤でき、しかも気泡もなく薬剤師の技術の差もあまり出ずにきれいに仕上げることができるようになっています。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング