痛み感じても受診しない子供の運動器障害とその対策

公開日: 2015年11月18日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2020年五輪が東京で行われることになり、スポーツへの関心もますます高まってきています。それとともに、子供のスポーツによる障害も問題視されるようになってきています。野球肘やテニス肘に代表されるように、骨格がまだ成長しきっていない成長過程にある子供のスポーツによる障害に関して、早く発見しケアを促していくべく省令なども改正されてきています。

放置されている子供の運動器の障害

成長期の子供の運動器は柔軟性に富んでいて、しなやかさに優れています。しかし一方で子供は成人に比べて強度が十分ではないため、過度な運動により損傷を受けやすいという特徴があります。そのため、スポーツ活動で運動器を酷使することによって、骨や軟骨等の運動器の傷害を引き起こしてしまうことが少なくありません。 全日本野球協会と日本整形外科学会等が行った調査では、少年野球選手は、体の痛みを経験したことがある人が58%だったのに対し、体に痛みを感じても約1割しか整形外科や接骨院へ行っていないという実態が明らかになっています。野球に関して言うと、全力投球した場合、100球以上になると痛みを感じる投手が多く、また週に6日以上練習すると痛みを感じる選手が多くなっています。これに関連して全日本野球連盟では原則1日7イニングまでとする投球数制限を実施していて、子供が体を傷めずに野球をいつまでも楽しめるように広めていきたいとしています。

時代とともに変わっていく子供の運動器健診

子供を運動のやりすぎによる酷使からくる運動障害から守るべく、全日本野球連盟等による広報活動もありますが、行政に関して言うと2014年4月末日には学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令が出され、児童の健康診断に関して運動器の機能という項目が追加されました。この省令では、児童生徒等の健康上の問題の変化や医療技術の進歩などを踏まえ、児童生徒等の健康診断の検査項目の見直しを行い、児童生徒等の健康診断の項目として、座高と寄生虫検査が必須項目からはずれ、その代わりに四肢の状態が必須項目として追加されています。省令の改正では、四肢の状態を検査する際、四肢の形態及び発育並びに運動器の機能の状態に注意することと規定されていて、2016年からは、運動器健診が法的根拠をもって学校現場で実施されることになっています。子供の運動器の異常をできるだけ早く発見をして、異常があれば受診を促したりすることで、過度な運動に注意するよう啓発するとともに、子供を運動器の障害から守る施策が取られています。
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