坐剤の調剤で頭に入れておきたい留意点

公開日: 2015年11月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
坐剤の調剤は、調剤そのものはすでに成型されてコンテナに入っている製品を処方箋どおりに出せば良いのですが、実際に使うとなると適切に保存されていなかったり、小児用として使用する場合に坐剤を上手くカットできていなかったり、挿入した後すぐ途中で出てきてしまったりという問題があります。

坐剤の調剤自体は計数調剤ですが規格に要注意

坐剤の調剤は、処方箋に記載がある通りに、メーカーの成型された製品を選んでくるもので、その作業自体はそれほど難しいものではありませんが、規格が異なるものが多いのが特徴なので、規格を間違えないように注意が必要です。坐剤は肛門坐薬と膣坐薬があります。一般的に坐薬と呼ばれているものは肛門坐薬で肛門から挿入するもので、痔疾用薬として局所作用を目的としてものと、解熱薬・制吐薬・抗痙攣薬・鎮咳薬といった全身作用を目的としてものがあります。これらは体温で溶ける油脂性基剤でできていて、冷所保存が必要になります。一方、膣坐薬は膣に挿入するもので、婦人科領域のトリコモナス膣炎・膣カンジタ症等の治療に用いられ、膣内の分泌物によって徐々に溶けて効果を発揮するよう水溶性基剤でできています。坐剤は、調剤する段階よりも、服薬指導や、患者からの問い合わせにいかに答えるかが重要になってきます。坐剤自体は、OTC医薬品にもあり、保存方法も使い方も知られていて、保存方法や坐剤の向きなどもわかりやすく書いてあります。とはいえ処方箋薬の場合は、添付文書を渡すわけでもなく、坐剤を使用したことがあるかどうかを確認し、もしなければ基本的な使い方などを説明してあげると良いでしょう。

坐剤は吸収が速い剤形なので血中濃度を考慮することが大切

坐剤は通常は先のとがった方から局所に入れ、一人で入れる時は中腰の姿勢で肛門の奥に入れ、4~5秒押さえてから立ち上がるとうまく挿入できますが、それでも挿入しにくいような場合は、少し水で塗らすか温めると良いでしょう。また排便後・入浴後・就寝前等が坐剤の使用に適した時間帯です。小児に使うときなどで坐剤をカットする場合は、清潔なカッターやハサミで斜めに切って、先端の方のみを使用します。肛門坐薬は肛門から入って直腸からどんどん吸収されていき、吸収が早く血中濃度の立ち上がりも早くなっていますが、吸収速度は有効成分により異なっていますので、坐薬がうまく入らなかったり途中ででてきてしまったりしたときの対処法も含め、最高血中濃度到達時間は薬の効き目に大きな影響を与えます。坐薬は、挿入から30分以内で途中排出してしまうことが多く、小児の場合は排出された坐薬が原形をとどめているなら、それを再度挿入することも一つの選択肢になります。一般に吸収が速いため途中排出があったからといって新しい坐剤を追加挿入すると過量投与になる可能性があるので控えるようにします。
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