在宅医療で拡がる外来化学療法加算

公開日: 2015年12月21日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
外来化学療法加算は、文字通り外来の患者に対して、化学療法の一環として抗癌剤の注射剤等を調製したときに加算される診療報酬です。抗癌剤は、抗腫瘍作用をもつと同時に、変異原性や細胞毒性が強いものが多く、無菌状態下での作業はもちろん、調剤者の調製時における被ばくを防ぐなどの細心の注意が必要です。

在宅医療推進の中、増えてきた薬剤師の外来化学療法加算

最近は、高齢化社会とともに社会福祉や医療にかかる費用が増大している中、セルフメディケーションや包括医療制度の導入、在宅医療の推奨が行われています。患者のQOL向上も踏まえつつ、外来診療において化学療法を実施する例も増えてきています。病棟での注射剤であれば、看護師の仕事というイメージがありますが、2002年に診療報酬改定が行われ、厚生労働省が定める施設基準を満たした保険医療機関において、入院患者以外の悪性腫瘍患者に対して、抗癌剤の注射に対する必要性、副作用、用法・用量、その他留意点をしっかりと文書で説明し、外来化学療法に関連した専用室において、悪性腫瘍患者の治療を目的として抗癌剤等を調製した場合は、外来化学療法加算が認められるようになりました。さらにこの加算は、施設基準により2種類設けられていて、診療報酬に差がつけられています。この加算がつけられたことにより、入院患者以外の抗癌剤を混合調製する薬剤師が増えてきました。

専任の常勤薬剤師が必要な外来化学療法加算

外来化学療法加算には、まず算定要件があります。保険医療機関として、専用のベッドがある治療室があり、外来化学療法の実施中は、外来化学療法とその点滴注射・輸血以外の目的で使用できないという規定があります。さらに急変時に患者が入院できる体制の確保が義務づけられています。そして化学療法につき専任の常勤薬剤師の勤務が条件になっています。さらに2種類ある外来化学療法加算のうち、診療報酬が高い方の加算1を取ろうとすると、化学療法に係わる調剤の経験が5年以上の専任の常勤薬剤師が必要になってきます。このようにはっきりと加算要件に必要だとして明記された薬剤師に求められているものは、プロトコール(計画書)に基づいた実施の確認、投与計画書(レジメン)に基づいた適正な処方鑑査、臨床検査値のモニター、正確な混合調製はもちろんのこと、服薬指導による有害事象の早期発見、適切な化学療法へのアドバイスなどがあります。こうした中、薬剤師はチーム医療の一スタッフとして、日頃から医師や看護師等の他の医療スタッフと協力し、情報提供を行うことにより、医療の質の向上や患者のQOL向上に貢献していくことが期待されています。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング