子宮頸がんワクチン、相次ぐ副作用で1割が健康被害回復せず

公開日: 2015年12月16日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
子宮頸がんは、患者数は年間約1万人、死亡者数は約3,000人とされ、30~60歳代に好発し、子宮頸部へのHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって発生する悪性腫瘍で、女性生殖器がんの中ではもっとも頻度が高くなっています。この子宮頸がんの予防法として登場したのがHPVワクチンで、サーバリックスとガーダジルがあります。HPVワクチンは、感染後では全く効果がないことから、推奨摂取年齢は、初交前の10~14歳とされています。

子宮頸がんワクチン接種後の副作用状況の公開

子宮頸がんの予防ワクチンとしてHPVワクチンは、予防接種法改正により小学6年~高校1年を対象に、定期接種となり接種が国民の努力義務という形になっていましたが、2009年12月~2014年11月まで接種を受けた約338万人のうち、医療機関や製薬メーカーから2,584人から副作用報告が出されています。健康被害としては、頭痛・筋力低下、失神・意識レベルの低下などで、さらにその健康被害の回復状況を確認したところ、確認できた1,739人のうち74.6%にあたる1,297人は1週間以内に症状の改善があったものの、10.7%にあたる186人の症状が回復していなかったことがわかりました。186人をさらに調べると、87人が入院経験があり、135人が通学や通勤に支障があったとしています。このことから、現在では積極的な接種勧奨は行われていません。厚生労働省は薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会にて、子宮頸がん予防ワクチンの調査に乗り出し、2015年9月17日に、この調査会資料が公開されました。

HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)のサーバリックスは、上腕三頭筋に初回・1ヵ月後・半年後の3回接種します。一方ガーダジルは、上腕三頭筋又は大腿四頭筋に初回・2ヵ月後・半年後の3回接種します。予防効果の持続期間自体は明確になっていません。HPVワクチンによって起こってくる副作用については、注射部位の痒み・痛み・発赤の他に、全身症状として、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛・失神などがあります。これら副作用はどうして起きてしまうのかについては、今だにはっきりとは解明されていません。厚生労働省では、「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き」が出されていて、HPVワクチンにより副作用がでてきてしまった場合には、痛みをはじめとする症状に対して対症療法をリハビリテーション等と並行して行うということが記載されています。痛みに対する対症療法としては、NSAIDsやアセトアミノフェンが利用されます。接種対象が思春期に当たることから、将来の筋・骨の成長に重要な時期であり、また多感な時期であることから、場合によってはしっかりとしたリハビリや精神面でのサポートが必要であったり、学校との連携も必要になってきたりする場合もあります。
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