2015年のインフルエンザ対策はお早めに

公開日: 2016年01月06日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
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  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
毎年、空気が乾燥して寒さも厳しくなってくる季節になると、インフルエンザが流行してきます。インフルエンザの予防法は、マスク・手洗い・うがいといったことになりますが、それでも人口密度が高い日本においては、多くの人と接触する機会も多く、周りにインフルエンザにかかっている人がいる確率からいっても、感染するリスクもそれだけ高くなっています。2015年~2016年のインフルエンザシーズンを考えると、すでに2015年9月の時点で、インフルエンザによる学級閉鎖も報告されていて、2015年は早めのインフルエンザ対策も重要と言えます。そんな中、インフルエンザワクチンの予防接種は、インフルエンザにかかりにくくし、かかっても症状が軽くて済むというメリットがあると言われています。

4価となった2015年~2016年シーズンのインフルエンザワクチン

ニュースでも、2015年~2016年のインフルエンザワクチンは値上がりしたと言われていますが、その理由の一つとして2015年~2016年のシーズンは今まで3価(A型2種類、B型1種類)であったワクチンが、B型株が1種類追加され、4価(A型2種類、B型2種類)に増えたことがあげられます。具体的には、新型と言われていたH1N1型、A型香港型と言われるH3N2型、山形系統とビクトリア系統の季節性B型の4種類のワクチンの混合になっています。インフルエンザワクチン株の選定については、国立感染症研究所インフルエンザワクチン株選定のための検討会議が開かれ、国内ウイルス株の抗原分析と遺伝子解析等が行われ、WHO(世界保健機構)でのワクチン推奨株検討会議の議論なども踏まえて検討されます。B型の2種である山形系とビクトリア系は近年流行が続いていることから検討されました。

インフルエンザワクチン不足の危機と信頼性

日本でのインフルエンザワクチンを製造しているメーカーは4社あります。アステラス製薬及び武田薬品工業と提携しているデンカ生研、第一三共と提携している北里研究所、田辺三菱製薬と提携している阪大微生物病研究会、アステラス製薬と提携している化学及血清療法研究所(化血研)です。このうち化学及血清療法研究所(化血研)で製造販売していたワクチンが、承認の内容と異なる製造方法をしていたということで、一時出荷自粛要請が出され、そのため接種希望者に対し供給不足を理由に後日の接種が提案されるという事態も起こりました。結局、厚生科学審議会感染症部会において品質および安全性などに重大な影響を及ぼす齟齬はないという報告を受け、国はインフルエンザの発生の予防およびまん延の防止をはかる目的から、出荷を認め、供給不足は避けられました。ワクチンというと、1989年に阪大微生物病研究会が承認と異なる製法でおたふくワクチンを製造し、1800人もの無菌性髄膜炎を出すなどの甚大な被害があり、5人の死者を出しています。しかし厚生労働省は在庫がはけるまで接種を続けたあげく、過失を認めず被害者に謝罪すらしていません。その後予防接種法が改正されましたが、厚生労働省が接種を勧めていた子宮頸がんワクチンにおいても重大な副反応が報告されています。化学及血清療法研究所(化血研)では、会社から独立した外部の委員のみで構成される第三者委員会が設置され、客観的かつ徹底的な調査を依頼し体制の改善が図られました。
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