小児に上手く薬を飲ませるための工夫

公開日: 2015年12月25日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
小児に対する薬物治療で、一番注意しなければならないのが小児用量ですが、服薬指導の面からは、いかに子供にきちんと薬を飲んでもらうかという点も重要になってきます。子供というと、薬嫌いというイメージがありますが、中には別に工夫をしなくても、きちんと薬を飲んでくれる子供もいます。薬を子供にきちんと飲ませるには、剤形などの工夫以外に、親をはじめとする保護者へのきちんとした説明も大切になってきます。

小児に対する剤形と薬の飲ませ方の工夫

散剤は、薬の剤形の中でも大人ですら粉っぽくてイヤという人もいます。また散剤は舌に接触し、薬の味がそのまま伝わってしまいます。散剤のうまい飲ませ方として、ペースト状にして頬の内側か上あごにさっと塗り、水を飲ませるという方法があります。これで粉っぽさを解消できますし、舌に直接薬物が触れない分、味が緩和されます。もちろん水に溶ける場合は水に溶かして内服液剤のようにして飲ませてしまう方法もあります。さらには、アイスクリームやヨーグルトに混ぜて少しずつという方法もあります。特にアイスクリームは冷たいので、薬の苦味を感じにくくなります。ただこのときの注意点が、薬によって混ぜてはいけないものがあるので十分に注意しましょう。特にハチミツは、1歳未満の乳児には使わないようにします。理由はボツリヌス菌感染の原因になるからです。シロップ剤は、スプーンで少しずつ口の奥の方へ入れて飲ませてあげると良いでしょう。スポイトがあるならば、スポイトで薬液を吸って、頬の内側に流し込むと良いでしょう。これは舌の上に直接触れると苦味などを感じやすくなってしまうためです。ここで注意しなければいけないのが、ミルクは薬には混ぜないほうが良いでしょう。絶対にダメというわけではありませんが、万一薬嫌いになってしまった場合、ミルクも飲まなくなってしまうおそれがあるからです。

剤形の工夫だけでなく、家族や保護者へとのコミュニケーションも忘れずに

小児はうまく自己表現することが苦手です。ましてや乳児にいたっては言葉をしゃべれなかったりするので、自分の意志を言葉で伝えることができません。小児のことを一番よくわかっているのは、家族や保護者です。薬を調剤する前に病態やアレルギー、嗜好などについて聞いておくことも重要です。薬の飲ませかたにも注意が必要で、例えば食後服用と指示された薬について、薬を飲ませるために食欲がない子供に無理やり食事をさせるといったようなことがないようにきちんと説明をしてあげる必要があります。また薬の服用に関しても、親がはじめから「この子は薬を飲むのがイヤなのね」とか考えていると、子供はかえって薬を飲まなくなってしまったりするものです。本当に薬を嫌がって飲まない子供に対しては、剤形の工夫も必要ですが、その前に薬を飲ませるときの家族や保護者の態度、心構えというものも重要になってきます。時には、子供に対して「薬は病気を治すのに必要だから、さあ、飲みましょうね」といった説明も必要でしょう。子供は、本当は薬は嫌いだけど、親が喜んでくれるのがうれしくて飲んでいるといったケースも結構あります。一方で飲まない子供を無理やり押さえつけてというようなことをやっていると、飲んだフリをして隠れて洗面所で吐き出してきてしまうといったことをやるようになったりしてしまいます。剤形の工夫の前に、親の接し方というものも重要な要素になってくるものです。
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