巧妙になっていく偽造処方箋とその発見方法

公開日: 2016年01月29日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
最近ではプリンターやカラーコピーの技術が向上してきたこともあり、これらで処方箋を偽造して薬局で医薬品を受け取るという悪質な事例が社会問題となっています。場合によっては、偽造処方箋により調剤したことにすら薬局が気がついていないケースもあると言われています。

偽装処方箋で不正入手されやすいのは向精神薬

たとえ自分自身が病院やクリニックからもらった処方箋であっても、これに手を加えて改ざんするということは立派な違法行為になります。特に、偽造した処方箋によって向精神薬を入手するというケースが多くなっています。改ざん方法も加筆後コピーして改ざんの痕跡を消したり、架空の医療機関名や用法・用量、処方箋公布日などの改ざんをしたりなどいろいろ手口があり、ひどいものになると、カラーコピー・スキャナー・パソコン・印刷機などを駆使して全体を偽造しているものまであります。偽造処方箋を使う側の心理からすると、近隣の医療機関ではバレやすいと考えて、薬局とは離れた地域の医療機関の処方箋として持ち込まれるケースが多くなっています。またカモフラージュのために、正規の処方箋に混ぜて合わせて提出したりするケースもあります。偽造処方箋を使って入手される医薬品としては向精神薬が多いのですが、なかでもアンフェタミンに類似した中枢神経刺激薬で慢性疲労症候群などにも用いられるリタリン、超短期作用型のベンゾジアゼピン系睡眠導入剤のハルシオン、同じくベンゾジアゼピン系のレキソタン、ベンザリン、ロヒプノールといった医薬品の偽装処方箋が多くなっています。

日本薬剤師会も偽造処方箋対策に乗り出す

困った偽造処方箋ですが、特に偽造処方箋が多く使われると言われている向精神薬の処方箋は注意してみておく必要があるでしょう。薬剤師法第24条においても、薬剤師は処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師などに問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ調剤してはならないとあります。まずは処方箋の外観ですが、紙の角にひずみがあったり、用紙サイズが微妙に違っていたりしたら疑いを持つことが大切です。文字も印刷面に不自然な汚れがないか、線などのとぎれがないか、直線や枠にひずみがないかなども見ます。患者の名前が保険証などと一致するか、実在しない医療機関である可能性はないかといったところにも注意を払うことで、偽造処方箋を見つけ出すことができます。偽造処方箋は医薬品の安全な適正使用という面からも悩ましいことであり、日本薬剤師会も偽装処方箋対策マニュアルを作成して公表しています。それによるともし偽造処方箋の疑いがある場合は、患者情報の確認とともに処方医へ連絡し疑義照会をし、もしそれが偽造処方箋であった場合は、患者に説明して交付できない旨を伝え、処方箋は証拠保全のため薬局で保管し、薬剤師会や保健所へ報告するとともに、場合によっては警察への通報をし、その際にはそれが麻薬や向精神薬である旨も伝えるということになります。
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