薬局製剤の歴史と法律規制・意味

公開日: 2016年02月26日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
薬局製剤は、薬剤師が薬局で医師の処方箋なしで自分の判断のもと調合し販売できる医薬品で、正式には「薬局製造販売医薬品」のことを言います。薬局で調剤又は販売される医薬品は、大きく分けると「薬局医薬品」、「要指導医薬品」、「一般用医薬品」の3つに分けることができます。「薬局医薬品」は、専門家により調剤・調合されるものですが、「医療用医薬品」と「薬局製造販売医薬品」の2つの分けることがきます。薬局製造販売医薬品は、医師の処方箋なしで薬剤師が調合し販売でき、厚生労働大臣が指定する有効成分のみを使用したもので、この薬局製造販売医薬品を販売できることは、薬局薬剤師だけに与えられた独占業務と言えます。

薬局製剤の現状と薬の歴史の中での発展

薬局製剤(薬局製造販売医薬品)は、2015年11月現在、430品目が指定されています。430品目の具体内容は、「薬局製造指針」で示されていて、成分及び分量又は本質、製造方法以外にも、用法及び用量、貯蔵方法及び有効期間、効能又は効果、規格及び試験方法すべてに適合して、はじめて薬局製剤と言えます。薬局製剤の歴史を見ていくと、1889年明治時代に公布された「薬律」が薬剤師の職務上の権利として、薬剤師は自由に薬品を製造できると明示されました。その後、薬局売薬といって各薬局が独自の製剤を申請し許可を得ることで販売するという流れができました。1943年に薬事法が公布されると、日本薬局方に収載されていない医薬品の公定処方が認められるようになりました。1960年に薬事法が全面改訂され、日本薬局方収載品、日本薬局方外品目、漢方製剤からなる現在の薬局製剤の形ができあがりました。そして薬局製剤を調合して販売するには、3つの許可が必要になっています。1つは薬局の製造販売業許可、2つ目が薬局の製造業の許可、そして3つ目が製造販売品目についての製造販売承認です。許可・承認は有効期間が6年で、更新が必要になります。例えば、漢方相談薬局などに行き、いろいろと薬剤師と患者が話しをし、患者の話をもとに薬剤師が「それではこの漢方薬をお出ししましょう」と言って患者が家で煎じて飲むための漢方薬を調合してくれるというものは薬局製剤になります。

薬剤師ならではの特徴が出せる薬局製剤の今後

薬局製剤は、自分が患者と話しをして、その内容から薬を見立てるという調剤分野の薬剤師の任務としては、一番の腕の見せ所といっても過言ではないかもしれません。3つの許可・承認を取らなければいけませんが、医薬品を製造したり調合したりするところから、試験検査や販売、さらには販売後のモニターまで一括して薬剤師が関与できます。こうしたことから薬局製剤については、これからのかかりつけ薬局としての特徴を出していくための一つの武器になるのではないかと言われています。薬局の独自性、薬剤師の特徴を出すのに薬局製剤は大きな武器となり得ますが、それだけに、きちんと患者の言うことに耳を傾け、判断していくという難しい業務で、調剤の技術はもちろん、薬を選択し製造するための幅広い知識と経験が要求されることになります。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング