医薬品の開発プロセスにおける再評価

公開日: 2016年04月25日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬品の開発プロセスは大きく分けて販売前と販売後の2つに分けることができます。実際に化合物をスクリーニングして、非臨床試験・臨床試験を行い、承認申請をして、医薬品医療機器総合機構で審査され、薬事・食品衛生審議会にかけられ、厚生労働省の審査管理課において、承認の最終判断がくだされ、承認・販売にこぎつけます。ここまでの一連の流れが創薬と言われます。これに対し、販売後、製造販売後調査などの安全性や効果などを確認していくプロセスが育薬となり、この最後の段階ともいえるのが再評価です。

再評価は現在の科学的知見に合わせた医薬品の見直し

再評価とは、ひと言でいうと、今日の医学・薬学の学問水準に照らして、医薬品の品質や有効性・安全性を確認するもので、厚生労働大臣の指定を受けたものが対象となります。通常は、新医薬品の場合、承認を受けてから厚生労働大臣の指定する期間後に、その有効性や安全性等の再確認のために再審査が行われます。再審査は通常、承認後4~10年で行われます。新成分・新効能・新用法・新用量、希少疾病用医薬品といったものがこの再審査を受けることになります。一方、これとは別に必要に応じて行われるのが再評価ということになります。製造販売承認を得た医薬品は、常に、その背景として医学・薬学・生物学等の学問の進歩や臨床での知見の変化などがあり、こうした問題に対応して、医薬品の品質・有効性・安全性をチェックすべきで、そのチェックを行う制度が再評価制度になります。再評価は再審査と違い、必要に応じて行われるもので、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会で専門家の意見を聴いて再評価を受けるべき医薬品の範囲を決定し公示することになっています。公示された医薬品については、再評価を受けなければなりません。再評価制度は、医薬部外品や化粧品にはありません。

後発医薬品の品質を担保するための品質再評価

再評価の指定を受けた医薬品を製造販売するメーカーは、GCP、GLP、GPSPなど厚生労働省令で定める基準に則って収集・作成された資料を、提出することになります。現在行われている再評価の中に、後発医薬品の品質再評価があります。これは後発医薬品がきちんと先発医薬品と同等の品質が保たれているかをチェックするもので、医療用医薬品の内容固形製剤において先発医薬品に対して溶出試験規格を設定しています。そして後発医薬品に対して設定された先発医薬品の溶出性との同一性を審査する品質再評価が実施されています。再評価されたものは、通常「日本版オレンジブック」と呼ばれている「医療用医薬品品質情報集」に掲載されることになります。再評価の結果、対照医薬品や医療機器が承認拒否事由に該当する場合は、承認取り消しとなってしまい、一部について保健衛生上改訂の必要があると認められた場合は、その部分の変更が厚生労働大臣からメーカーに命じられることになります。最近では、後発医薬品の品質再評価以外に、リゾチームやブロメラインについて、慢性副鼻腔炎の腫脹の緩解について、再評価によって効果がないということになり、効能が削除されたという例があります。
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