生物学的製剤と生物由来製品との違いとは

公開日: 2016年02月29日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
生物学的製剤には、ワクチン、血液製剤、毒素や抗毒素などの製剤があります。この生物学的製剤は、日本薬局方とは別に、厚生労働大臣が特別に保健衛生上注意を要する医薬品として、製法や性状、品質や貯法に至るまで生物学的製剤基準という基準を設けています。もちろん、これらの基準に適合しないものは製造販売が禁止されることになります。

定義上は、化粧品でも生物由来製品ということがありえる

生物学的製剤のワクチンや血液製剤、抗毒素等は、国立感染症研究所による検定を受けなければならないことになっていて、この検定に合格したものでなければ、流通できないことになっています。普通の化学薬品からなる医薬品と違い、製造にウイルスを使用したり血液を利用したりすることから、変質しやすく保存管理を厳格に行う必要がありますので、より厳しい基準が設けられています。医薬品医療機器等法では、生物由来製品というものの定義があります。これは、人その他の生物(植物を除く)に由来するものを原料又は材料として製造される医薬品・医薬部外品・化粧品又は医療機器のうち、保険衛生上特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものとなっています。定義的には医薬品だけでなく、化粧品等も含まれています。つまり化粧品でも成分によっては生物由来製品ということになり得る可能性はゼロではないということになります。ワクチンはこの定義にあてはまり、「生物由来製品」になりますが、それ以外にも、動物成分抽出製剤や動物細胞由来の遺伝子組み換え医薬品といったものが生物由来製品になります。また血液製剤等は、生物由来製品の中でも、特に販売後・授与後も保健衛生上の危害の発生や拡大を防止するための措置が必要なものとして定義している「特定生物由来製品」に該当します。医薬品以外でも、例えば動物の心臓弁や人及び動物由来の成分を塗布したカテーテル類などは生物由来製品の医療機器という扱いになります。

一般用医薬品や化粧品には生物由来製品はあるのか

定義の上では、一般用医薬品や化粧品でありながら、生物由来製品であるということは十分考えられますが、実際には一般用医薬品や化粧品で生物由来製品となっているものはありません。漢方薬や生薬の中には、動物由来の生薬があったり、その生薬を構成生薬として含んだりしている漢方薬もありますが、保健衛生上特別の注意を要するものではないことから、生物由来製品にはなっていません。つまり実際には生物由来製品は医療用で用いられるワクチンや血液製剤、動物の心臓弁等限られたものになっています。生物由来製品は、直接の容器等に白地に黒枠・黒字で生物由来製品の場合は「生物」、特定生物由来製品の場合は「特生物」の文字を入れないといけないことになっているので、容易に区別することができます。特別生物由来製品については、薬局など販売者には、対象者の情報をしっかりと記録し、その製品がどのようなルートで誰に流通しているのかトレースできるようにしておくことが義務づけられています。
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