中長期的視野に立った患者のための薬局ビジョン

公開日: 2016年02月10日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2015年10月23日、医薬分業の原点に立ち返り、現在の薬局を患者本位のかかりつけ薬局に再編するため、厚生労働省のホームページに策定された『患者のための薬局ビジョン』が公表されました。『患者のための薬局ビジョン』は、国が勧めているかりつけ薬剤師・薬局に対する今後のあるべき姿を明らかにしています。2025年に団塊の世代が後期高齢者である75 歳以上となり、後期高齢者が人口に占める割合が18.1%になる見込みであることを受け、2025年、さらにはその10 年後の 2035年に向けて、中長期的視野に立って考えた場合、現在の薬局をどう再編していくかの道筋が提示されています。

国が勧めている今後の薬局のあり方

『患者のための薬局ビジョン』では、今後の薬局のあり方として、患者さんがどの医療機関を受診しても、自宅などの身近なところにあるかかりつけ薬局に行くのが理想であるとしています。このことにより、服薬情報の一元化や継続的な把握がしやすくなり、薬物療法の安全性や有効性が向上し、残薬管理など医療費の適正化にもつながるとしています。これは、多剤・重複投与の防止、相互作用のチェック、コンプライアンスの向上といった観点から、患者本位のための医薬分業の実現ともいえます。1ヵ月前の2015年9月に厚生労働省は『健康サポート薬局のあり方』を公表しています。健康サポート薬局は、かかりつけ薬局に加えて、国民の病気の予防や健康サポートに貢献するために、要指導医薬品等を適切に選択できるような機能や、健康相談受付、受診勧奨や関係機関紹介などの健康サポート機能を備えた薬局であるとしています。そしてかかりつけ薬局またはかかりつけ薬剤師に関しては、「服薬情報の一元的・継続的把握」、「24時間対応・在宅対応」、「医療機関等との連携」の3つの機能が求められます。かかりつけ薬局にもとめられる3機能、健康サポート薬局に求めらる健康サポート機能の他に、高度薬学管理機能があり、これは高度な薬学的管理ニーズに応えた内容の機能として、専門機関との連携や抗がん剤の副作用対応、抗HIV薬の選択などの支援などが機能として盛り込まれています。

2025年までにすべての薬局がかかりつけ薬局に

かかりつけ薬剤師が役割を発揮するかかりつけ薬局ということで、服薬指導の一元的・継続的把握では、ITC(情報通信技術)を活用したお薬手帳の一冊化・集約化が求められ、最近では電子お薬手帳なども導入されています。24時間対応・在宅対応では、開局時間外でも電話相談を実施したり、夜間・休日などの調剤なども揚げられています。24時間対応というとハードルが高いように思われますが、現時点でも5.7万の薬局のうち約3万の薬局が基準調剤加算を取得していて、半分以上の薬局が24時間対応が可能だと言われています。医療機関等との連携においては、最近医療費を圧迫している大きな原因となっている残薬管理に大きな期待が集まっています。発表された薬局再編の全体像としては、2025年までにすべての薬局がかかりつけ薬局として機能するようにしていくことになっています。
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