注意喚起だけじゃ不十分な子供の医薬品誤飲対策

公開日: 2016年03月16日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
市販のお薬を購入すると、必ず決まり文句のように添付文書に、「小児の手の届かないところに保管してください。」という注意書が記載されています。しかし、日本中毒情報センターに寄せられている5歳以下の子供による医薬品誤飲の相談は2014年で8433件にものぼっていて、そのうち849件では何らかの症状があり、誤飲年齢は1~2歳が約7割を占めていました。そんな中、今年2015年12月18日、消費者庁消費者安全調査委員会は、PTP包装を強化して錠剤を押し出しにくい製品を開発、普及することを検討するよう厚生労働省と製薬業界に提言しました。

1歳~2歳の子供がいる家庭は特に医薬品等の誤飲に要注意

医薬品の誤認をする年齢は、物をつかめるようになる6ヵ月から、ものの分別が理解できるようになる2~3歳前後までに多く集中しています。子供は、6ヵ月を過ぎることから身近にあるものを手に取って口に運ぶようになってきます。赤ちゃんは5カ月になると物をつかめるようになってきます。1歳前後ですと、予想もつかないことをやるので注意が必要です。通常口に入れるものではない軟膏剤なども口に入れてしまったり、PTP包装をそのまま口に入れてしまったりします。従って特に物の分別がつかない3歳未満のお子様がいる家庭では、医薬品等が誤飲されないように十分注意する必要があります。1歳半から2歳にもなると、足場を自分で作って物を取ることができるようになります。1mぐらいなら平気で足場を作って手に取り口に入れてしまう可能性がありますので十分な注意が必要です。甘い味がするシロップ剤などは特に要注意です。そんな中、消費者庁は、薬が子供に誤飲されないように注意喚起すべく通知を2014年12月24日付で、都道府県宛に通知し、医療機関・薬局に注意喚起を促すよう指示しています。一方ホームページでも、服用後は薬を口に入れたところを子供が見ているので元の安全な場所に片づけたり、鍵のかかる場所や取り出しにくい容器に入れたりするなど複数の対策をするよう紹介しています。また向精神薬・血糖降下薬・降圧薬・気管支拡張薬など重篤な健康被害を生じるおそれがあるものの厳重管理を啓発しています。

薬の専門家として医薬品の誤飲の相談も受ける薬剤師

子供の薬の誤飲を避ける方法として、押しながら回さないと医薬品が取り出せないようなチャイルドレジスタンスの包装容器が開発され既に使われています。PTPシートについては、欧米では既に開封試験の規格があり、それを参考に検討が行われています。取り出すときに破られるフィルムの厚さを増し、力を入れないと破れないようにする方法が検討されています。実際にフィルムの破きにくさと、子供の開封失敗率は比例することがわかっています。一方、中高年はきちんと取り出せるものでないといけません。メーカーが医薬品等の包装を工夫するのはもちろん大切なことですが、薬局や病院の薬剤師も従来どおり、もし子供がいる家庭だとわかっていた場合に、特に誤飲でリスクが高い薬についてはきちんと保管方法などの注意喚起をするといったことも大切です。また万一誤飲してしまった場合の対処も大切になってきます。名前や年齢・性別・体重、連絡先、誤飲した医薬品と誤飲量、誤飲時刻、摂取状況、誤飲した子供の情報などを確認したり、薬誤飲の情報に詳しい中毒情報センターの「中毒110番」(大阪中毒110番<24時間対応>:072-727-2499、つくば中毒110番<9時~21時>:029-852-9999)や小児救急電話相談(#8000)を紹介するなどの対応が大切になってきます。
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