自己注射のやり方に対する患者への説明

公開日: 2016年03月11日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
注射というと、原則的には医療行為にあたり、医師か医師の指示を受けた看護師しか行うことはできません。しかし糖尿病など長期間にわたって注射が必要となっている患者などは、自分で注射を打ついわゆる自己注射ができるようになっています。薬局においても、こうした患者が自己注射するような製剤を患者に渡す機会がありますが、その際には患者が自己注射に関してきちんと理解しているかどうかの確認も必要になってきます。

患者が自己注射することが認められているものとは

原則的に注射は医療行為にあたり、医師かその指示を受けた看護師しかできませんが、厚生労働大臣が定めた注射薬に限っては、患者が自ら注射をすることができるようになっています。以前はインスリンの自己注射も医師法に違反するということになっていましたが、1981年に認められ保険適用になりました。この厚生労働大臣が定めて自己注射ができるものとしては、インスリン製剤が有名です。インスリン製剤の他にも、性腺刺激ホルモン薬、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、ヒト成長ホルモン、グルカゴン製剤、遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子、遺伝子組み換え血液凝固第Ⅷ因子、乾燥人血液凝固第Ⅷ因子、乾燥人血液第Ⅸ因子などの製剤があります。これらの共通点は皮下注射であって、静脈等に使用するものは、自己注射は認められていません。必要性ということを考えると、糖尿病に対するインスリン製剤のように、頻回の使用が想定されているものであるとか、発作時の緊急投与が必要となるものが考えられます。発作などで緊急性を要するものの代表としては、食物アレルギーの問題で有名になったエピペン(アナフィラキシー補助治療剤)があり、食物アレルギーでアナフィラキシーショックが起きたときに注射されます。

患者へのしっかりとした使用方法の説明が大切な自己注射薬

自己注射薬では特に、患者がきちんと正確に自己注射を行うことができるように指導することが大切になってきます。いくら優れた薬でも、適切なタイミングで用法どおりに使われなければ、効果がないだけでなく、重大な副作用にもつながりかねません。インスリン製剤は、剤形だけでもカートリッジ型のもの、プレフィルド型等があり、作用時間も約15分で効果がでてくる超速攻型のものから、持続時間が24時間という持効型のものまでさまざまあり、これらの種類や剤形、単位数が間違っていないかチェックが必要になってきます。さらに懸濁して使うものについては、その旨きちんと説明しなければなりません。使用前に空打ちをするといったことから、注射部位を含めた自己注射の方法、さらにはカートリッジの交換時期、保管方法や手入れ方法も伝えたりしなければなりません。製品によっても若干使用方法や注意は変わってきますが、実際にサンプルなども利用して、患者にわかりやすく説明できるように準備をしておくことも大切なことです。患者が自己注射をする意義について話し合い、納得した上で、用法ややり方、保存方法等をきちんと理解しているかどうか確認するというところまでしっかりと行っていかなければなりません。
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