2016年、4年半ぶりにおたふく風邪の流行の兆し

公開日: 2016年02月23日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
ムンプスウイルスの感染によって起こるおたふく風邪が、2016年1月に入ってから、流行の兆しを見せています。国立感染症研究所によると4年半ぶりの全国的な流行の兆しとなっています。おたふく風邪は特に子供での感染が多くなっています。潜伏期間が長く、感染しても症状が出ない場合もあるので、知らない間に感染を拡げてしまっているケースもあります。

流行するおたふく風邪の症状と感染ルート

おたふく風邪は、発症すると耳下腺の周りが腫れて顔がおたふく(おかめ)のようになるということからそう呼ばれています。そして原因となっているのが、ムンプスウイルスです。おたふく風邪に感染する年齢は、3~10歳の小児に多く、保育園・幼稚園・小学校に通うことで、飛沫感染や接触感染により他の子供からうつされ流行する傾向があります。感染者の85%以下が15歳以下、特に3~6歳の子供が全体の60%を占めていて、その潜伏期間は2~3週間で平均すると18日前後となっています。これはノロウイルスやインフルエンザウイルスに比べて長いのが特徴です。おたふく風邪の症状は、耳の下・頬の後ろ側・顎の下といった耳下腺部が腫れてきますが、通常は片側からはじまります。腫れていくスピードは速く1~2日間で腫れが両側に拡がっていきますが、片側しか腫れないケースもあります。耳下腺部が腫れて痛み、その痛みは3日程度あり、痛みで食べ物を噛めなかったり飲み込めなかったり、会話がつらかったりといった症状があります。腫れは1週間~10日ほどで治まってきます。特に気をつけなければいけないのが1歳未満の幼児で、不顕性感染といって症状らしい症状が出ないまま終わるケースがあります。はっきりとした症状はないのですが、顔の周りが普段よりなんとなくずんぐりしていてエラが張った感じになっていて、食べるのを嫌がるようなことがあれば、おたふく風邪の可能性もあります。感染力が最もある時期は、耳下腺部が腫れ始めてくる前後5日間で、耳下腺の腫れが治まってきた頃には感染力は弱くなってきています。潜伏期間でも人に感染させるおそれがあるので注意が必要です。合併症として稀に無菌性髄膜炎や髄膜脳症を起こすことがあるので、高熱がでたり、けいれんが起きたりした場合は要注意です。

おたふく風邪で特に注意しなければいけない妊婦

おたふく風邪で特に注意しなければいけないのが妊婦です。おたふく風邪及びその合併症は、基本的には対症療法での治療となります。安静にして栄養をしっかりとり、脱水などに気をつけることが中心となります。妊婦は薬の副作用が出やすく胎児にも影響を与える可能性があるので、できるだけ薬は控えることが原則で、使える薬も限られています。加えて妊娠中はワクチンを接種できず、接種後2ヵ月程度は妊娠を避ける必要があります。妊婦でおたふく風邪が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診するのはもちろんのこと、もし妊娠を予定している場合は、抗体検査を受けておたふく風邪の抗体がない場合は、タイミングを考え妊娠する前に予防接種を受けることがお奨めです。
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