保険薬局の指定と保険薬剤師の登録における留意点

公開日: 2016年04月15日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
保険薬局の法的根拠は健康保険法第63条で、厚生労働大臣の指定を受けた薬局という形で定義されています。公的保険制度に基づく健康保険を使った調剤・処方が可能な薬局が保険薬局になります。薬局の許可を受ければ調剤することはできますが、それは保険外調剤のみで、健康保険法に基づく保険調剤をすることはできません。保険薬局の許可を得て初めて一般的な社会保険・国民健康保険・老人保険等の制度に基づいた保険調剤ができるようになります。そしてこの保険調剤をすることができるのが保険薬剤師になります。

調剤薬局は、イコール保険薬局と考えて良いのか

理論的には、保険外調剤しかしない薬局というのもルール上はありえますが、現実的ではありません。薬局の許可だけだと、保険外調剤しかできないので、例えば患者さんが同じ処方箋をもってきても、保険調剤できる調剤薬局でしたら保険がきくので、患者さんの負担は1~3割で済みます。しかし、保険薬局の指定を受けていない薬局では保険調剤ができないので、保険外調剤扱いとなり、患者さんの負担は10割負担になってしまいます。患者さんはわざわざ自己負担10割の薬局には行かないので、保険薬局でない調剤薬局は成り立ちません。必然的に調剤薬局は、保険薬局ということになっていきます。そこで保険薬局になるため、薬局の許可の他に薬局の所在地を管轄する地方厚生局長に対し「保険薬局指定申請書」を提出し、そこに保険薬剤師の氏名や登録番号、開局時間などを記載した書類を添付して申請する必要があります。地方厚生局長は申請を受けると書類を吟味し、地方社会保険医療協議会に指定の可否について諮問し、可との答申を受ければ、そこではじめて保険薬局として指定され、当該地方厚生局長のホームページにも公表されます。保険薬局になると、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則に基づいて調剤が行えるようになります。そして「当薬局は、厚生大臣が定める基準による調剤を行っている保険薬局です。」、「当薬局は、どの保険医療機関の処方箋でも応需します。」などの定められた掲示事項を薬局内の見やすいところに提示することになります。なお、薬剤師も医療保険を扱いに当たって「保険薬剤師」として登録が必要になります。

保険薬剤師としての登録とその留意点

薬剤師の国家試験に合格し、免許証を手にしただけでは保険調剤を行うことはできません。保険薬剤師の登録が必要になります。製薬会社等に勤務する薬剤師、ドラッグストアでOTC医薬品のみを販売している薬剤師、病院内の薬局に勤務する薬剤師は保険薬剤師の登録は不要ですが、もし調剤薬局に転職をするといった場合には、保険薬剤師の登録の準備が必要になってきます。保険薬剤師の登録は、保険調剤に従事している保険薬局の所在地の地方社会保険事務局長に届出によって行います。もし複数の薬局で保険調剤をするのであれば、全ての薬局ごとに登録が必要になってきます。また、主に勤務する都道府県が変わる場合は変更届けが必用になります。この保険薬剤師としての登録は終身登録制で、行政処分等で取り消しを受けるといったようなことが無い限り登録されていますので、更新の必要はありません。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング